サラに続く参加者は現在11人登録されている

脳への電気刺激を制御チップで自動化し、うつ状態を解消させる技術が登場
(画像=実験ちゅうのサラの様子 / Credit:UCSF 2021、『ナゾロジー』より引用)

一連の研究により、患者の脳にあわせて設計された脳深部刺激療法(DBS)が、重度のうつ病に有効である可能性が示されました。

研究者たちは今後、サラの精神状態を観察しながら、サラの脳がどのように変化していくかを追跡していくとのこと。

現在、サラに続く参加者は11人登録されており、治療効果が他の人間でも再現されるかどうかが確かめられる予定です。

ただ、最適な刺激部位を探索するために必要なコストは高く、複数の電極を刺し込まれる脳の負担も少なくありません。

度重なる脳への電極の刺し込みに対して、サラの人格や記憶には目立った変化がありませんでしたが、同じことが他の人々にも言えるかは不明です。

ただ、新たな治療法の効果が立証されれば、多くの難治性うつ病患者にとって希望になるのは間違いないでしょう。


参考文献

Treating Severe Depression with On-Demand Brain Stimulation

A ‘pacemaker’ for brain activity helped woman emerge from severe depression

元論文

Closed-loop neuromodulation in an individual with treatment-resistant depression


提供元・ナゾロジー

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