目次
BtoBマーケティングの特徴
 ・BtoBでの購入決定には複数の意思決定者が関わる
 ・BtoBでは購入までに時間を要する
 ・BtoBではエビデンスを重視したアプローチが必要
BtoBマーケティングを成功させるには
 ・BtoBマーケティング戦略の立案
 ・リードジェネレーション
 ・リードナーチャリング
 ・リードクオリフィケーション
 ・商談・受注・継続利用
 ・BtoB購買プロセスの分析
 ・BtoBでは「ASICA」
 ・BtoCでは「AIDMA」「AISAS」
 ・BtoBにおける効果的なマーケティング手法
まとめ

BtoBマーケティングの特徴

BtoBマーケティングの特徴として挙げられるのは、BtoCマーケティングでは通常考慮しなくてよいプロセスや必要のない工程が加わることです。それが以下の項目となります。

・ BtoBでの購入決定には複数の意思決定者が関わる
・ BtoBでは購入までに時間を要する
・ BtoBではエビデンスを重視したアプローチが必要

BtoBでの購入決定には複数の意思決定者が関わる

BtoBにおいて商品やサービスの購入決定にいたるまでには、複数の役員による意思決定を通過させる必要があります。

例えばBtoCにおける購入の意思決定者は消費者のみです。購入するもしないも消費者が判断すればよいだけですが、企業で購入を検討する場合はプロセスがそう単純ではありません。

まず企業内で商品やサービスを利用する従業員と、会社資金をコントロールしている財務担当者及び購入の最終判断を下す決裁者がそれぞれ異なります。

さらに購入金額が大きい場合には、社内にて稟議を通す必要性も出てくるため、企業での購入決定の判断がくだされるまでには、各部署において合理的な判断が行われるのです。

BtoBでは購入までに時間を要する

上述のようにBtoBにおいて、商品やサービスの購入決定がくだされるまでには複雑なプロセスをたどります。そのため購入にいたるまでには非常に長い時間を要することが多くなります。

導入における会議や審査、比較検討が社内で何度も行われ「自社にとって有益なのか」「購入したことによる不利益は出ないか」など、損益シミュレーションが長期にわたり繰り返されます。

BtoBではエビデンスを重視したアプローチが必要

BtoBにおける商品やサービスの購入決定には、複数の意思決定者が関わります。

そのため上長や上司、購買決定権を持つ決済者などの役員を納得させるだけのアプローチが必要となります。そこで重要なのがエビデンスを重視したアプローチです。

「なぜそれが必要なのか」「それを導入することでどういう効果が生まれるのか」といった事項が説明できると、発言に説得力を持たせる事ができます。

データや裏付けなどとともに、しっかりと「それ」を導入する根拠を説明できるようにすることが、意思決定者を納得させるポイントとなります。

BtoBマーケティングを成功させるには

BtoBマーケティング戦略を成功させるには、以下の項目について熟考する必要があります。

・ BtoBマーケティング戦略の立案
・ BtoB購買プロセスの分析
・ BtoBにおける効果的なマーケティング手法

BtoBマーケティング戦略の立案

BtoCマーケティングにおける顧客のゴールが、自身への投資や自己の改善、欲求の解消などに対し、BtoBマーケティングにおける顧客のゴールは、ROI(Return On Investment=投資収益率・投資利益率)の改善及び業務の効率化となります。

そこでBtoBマーケティングにおける戦略立案の際に重要な考え方が「リレーション」です。リレーションは「関係」や「つながり」といった意味合いで、マーケティングにおいては、顧客との良好な関係を築き、長期にわたって良い取引を維持していくことです。

リレーションシップマーケティングともいいますが、これらを段階別に分けていくと以下のようになります。

  1. リードジェネレーション
  2. リードナーチャリング
  3. リードクオリフィケーション
  4. 商談・受注・継続利用

リードジェネレーション

リードジェネレーションは顧客獲得活動のことを指します。自社商品やサービスに興味がありそうな「見込み客、及び潜在顧客=リード」の情報を収集していきます。
マーケティングプロセスにおける最初の段階として、リードとの接点を見出すことが目的となります。

リードナーチャリング

リードナーチャリングはリードジェネレーションで獲得したリードを育成する段階となります。獲得したリードは自社商品やサービスに対する認識の度合いが異なります。

「まったく知らない段階」「聞いたことがある段階」「知ってはいるが購入するまでに至っていない段階」など、これらの認識の差を埋めるべくリードナーチャリングのプロセスにおいて育成を行っていきます。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションでは、リードナーチャリングのプロセスにおいて育成したリードの絞り込みを行っていきます。

育成したリードの中にも購入確度の高い客と低い客がいるため、購入確度の高い「ホットリード=今すぐ客」に絞って選別を行う必要があります。

選別方法は顧客のとった行動に対して点数を付与していく「スコアリング」がよく活用されます。
例えばイベント参加で10点、資料請求で5点、問い合わせで1点など、リードに対し細かく点数を付与し、独自の基準点数を超えたリードをホットリードとして選別していきます。

商談・受注・継続利用

リードクオリフィケーションにより選別したホットリードに向けて商談を行い、受注そして継続利用へとつなげていきます。

これまでのプロセスでリードがどのような行動をとってきたかをよく確認、把握しながらクロージングを行っていきます。

最終段階まで持ち込めたことで安堵、油断していると、最後の最後で頓挫しこれまでの苦労が水の泡となってしまうこともあります。

BtoB購買プロセスの分析

BtoBとBtoCでは異なるフレームワークを活用してマーケティング戦略を立案する必要があります。

・ BtoBでは「ASICA」
・ BtoCでは「AIDMA」「AISAS」

BtoBでは「ASICA」

BtoBでは主に「ASICA」というフレームワークを活用し購買プロセスの分析を行っていきます。
・Assignment=課題
・Solution=解決
・Inspection=検証
・Consent=承認
・Action=行動

企業特有のプロセスである「検証」や「承認」といった項目があります。

BtoCでは「AIDMA」「AISAS」

BtoCでは主に「AIDMA」「AISAS」というフレームワークを活用し購買プロセスの分析を行っていきます。

■AIDMA
・Attention=注意
・Interest=関心
・Desire=欲求
・Memory=記憶
・Action=行動
従来活用されてきた購買プロセス分析法。

■AISAS
・Attention=注意
・Interest=関心
・Search=検索
・Action=購買
・Share=情報共有
「AIDMA」に代わる新しい購買プロセス分析法。「欲求」と「記憶」がなくなり、オンライン特有の「検索」や「情報共有」といった項目に取って代わっている。

BtoBにおける効果的なマーケティング手法

BtoBでは「アウトバウンドマーケティング」と「インバウンドマーケティング」を組み合わせる手法がおすすめです。

どちらが良いというわけではなく、どちらも一長一短がありますので、お互いのマーケティング手法の欠点を補い合いながらBtoB戦略を立案していきます。

例えば営業のリストアップから面会の約束取り付けまでをインバウンドマーケティングで行い、その後の営業をアウトバウンドマーケティングで行う、といった方法も効果的です。

まとめ

BtoBではBtoCにはない複雑なプロセスを通過させる必要があるため、エビデンスに則った説得力のあるアプローチが鍵を握ります。また購入が決定するまでに長い期間を要することなども鑑み、慎重を期した戦略立案が不可欠となります。

提供元・MarkeTRUNK

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