食用を考えないゲームフィッシングでは、釣れた魚は優しくリリースするのが釣り人と自然の約束です。今回はライトゲームで釣れる魚に対する礼を弁えたリリースの方法を考えてみましょう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

ライトゲーム編

まずはライトゲームの一般的な対象魚です。二大魚種アジ・メバルについて。

アジのリリース作法

ご存知のようにアジは特にナイーブな魚です。30cmあっても200gの体重がない、非常に身の軽い魚なので(ということもないかもしれませんが)、雑にリリースすると即殺生。本当にその場でプカーと浮いてきてしまいます。

サバも一緒に考えましょう。同じような魚種ですが、サバは暴れてくれる分、こちらのリリースも雑になりがち。ハリが外れて陸で暴れて段差から落ちて、脳天をぶつけて半死。リリースするとプカーと浮いてしまう場面を、誰もが一度は見ているのではないでしょうか。

アジ、サバは水面に近い位置でそっとリリースしてあげてください。釣ったら写真撮影の時間も1分以内です。そうしてあげれば、場の条件的にたとえば5mの高さしかないところでも、ちょっと岸際から手を伸ばして落としてやれば元気に帰っていきます。

ゲームフィッシングにおける【優しくリリースする方法】を具体的に解説
(画像=手掴み厳禁!火傷で死ぬ(提供:TSURINEWSライター井上海生)、『TSURINEWS』より 引用)

メバルのリリース作法

根魚のメバルについても同様です。リリースは水面に近い位置で優しくが原則。

ただメバルは多少スタミナがあるので、陸に上げていても3分くらいは仮死状態にはなりません。冬ならば10分くらい生きることもあります。たとえばワンポイントで釣れ倒す時合いが10分しかないならば、釣った魚はお茶なんかで濡らした地面に直置きか、あれば活かしバケツに溜めておいてやれば大丈夫。あとからタモに入れてゆっくりと海面に帰してやれば、蘇生します。

ゲームフィッシングにおける【優しくリリースする方法】を具体的に解説
(画像=夜なら10分なら釣り溜めても大丈夫(提供:TSURINEWSライター井上海生)、『TSURINEWS』より 引用)

後述しますが、ぼちゃんとその場に帰すやり方はスレを招くこともあり、また重みのある抱卵個体はその方が死にやすいので、メバルのリリースは本当はもっとナイーブなのです。

大型魚編

ライトゲームをしていてしばしばかかるのが、シーバスやチヌや、ゲストのボラです。シーバスやチヌを狙いで釣るときには、フィネスでやる分、じっくりと水中で体力を削ってからランディングするので、必ず蘇生させて帰してやる必要があります。

ネットに入れて帰す

2m以上の高さのあるところからは、シーバス・チヌは、雑なぼっちゃん帰しは絶対にダメです。大型になると自分の重みをもろに受けて、角度によっては即死します。必ずタモに入れてリリースしてやってください。

ゲームフィッシングにおける【優しくリリースする方法】を具体的に解説
(画像=シーバスはタモに入れてリリース(提供:TSURINEWSライター井上海生)、『TSURINEWS』より 引用)

また、最後の最後まで魚をいたわるという意味では、シーバスならば指を使ってハンドリリース(?)するのもいいでしょう。水面に近い位置で、口を掴んで魚を水に浸けてやり、尾とエラが動き出したらそっと帰してやるのです。

私も何度かシーバスをそうしてリリースしていますが、魚がどう思うかは別にして(まあ嫌でしょうが)、なんとなくハンドリリースするあの短い時間には、双方のあいだに優しい気持ちが流れるような気がします。シーバスの表情が見えるような感じすらするのです。