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ゾンビ化は進化の行き詰まりだった

ゾンビ化は進化の行き詰まりだった

ハエゾンビをつくる恐怖の「ゾンビ菌」が2種類も発見される!
(画像=冬虫夏草に感染したハエの頭部。冬虫夏草は真菌の一種でハエの死後にキノコをつくり胞子を飛ばす / Credit:Faiz Bustamente,『ナゾロジー』より 引用)

なぜ世界中がゾンビ菌によってゾンビ化していないのか?

ゾンビ菌が変異してゾンビ化する対象を他の生き物(人間など)に変えることも理論上、可能でしょう。

ですが、現実は違います。

その主な理由の1つは、常に特殊化を求められるからです。

感染されるハエのほうも無抵抗ではなく、ゾンビ化菌に対抗するために免疫系の強化を進めているのです。

そのためゾンビ化菌は他種族へ感染できる汎用的進化より、今を生き残るため、よりハエに特化した特殊な進化を進めなければならないのです。

さらにゾンビ化菌はハエの性器から食べ始めるために、全てのハエに感染してしまえばハエと一緒に絶滅してしまいます。

そのため感染力を強くし過ぎることも禁じられています。

弱くもなれない、強くもなれない、汎用的にもなれない。

つまりは、進化のドン詰まりです。

ハエの臓器を一つずつ食べて精神を支配するという、一見最強にみえる感染手段は、特殊化の末に発展に行き詰まった、先のない進化だったのです。

人に感染することは今のところ確認されていないので、一安心ですね。


参考文献

theguardian


提供元・ナゾロジー

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