私たち人間は、乳牛を飼う「酪農」を5000年以上前にスタートさせました。

今日、朝の食卓や給食で牛乳を飲めるのはそのおかげです。

しかし、これと同じことをアリはずっと昔から始めていたのを知っていますか?

なんとアリはアブラムシ「乳牛」として酪農しているのです。

目次
アブラムシはアリにとっての「乳牛」?

アブラムシはアリにとっての「乳牛」?

アブラムシは植物に集まり、その汁をすすって暮らしています。

しかし、そのせいで植物を傷つけたり、病気にさせることがあるので、農家や園芸を楽しむ人にとってはやっかいな生き物です。

その一方で、アブラムシの周りにアリがたくさん集まっている様子が見かけられます。

これはなぜでしょうか?

アリはアブラムシを「乳牛」として酪農してるって本当?
(画像=アリがアブラムシに集まるのはなぜ? / Credit: jp.depositphotos、『ナゾロジー』より 引用)

アブラムシがすする植物の汁は「師管液」といい、そこから栄養分を吸収します。

(ちなみに、植物が養分を運ぶルートは2つあり、「師管」は植物内でつくられた養分を、「道管」は地中から吸った水分や養分を運びます)

ところが、師管液には必要以上の糖分が含まれていて、アブラムシはそれをオシッコとして外に排出します。

このオシッコを「甘露(かんろ)」といい、糖分のほかにアミノ酸なども豊富なので、それ欲しさにアリが集まってくるのです。

いわばアリにとってアブラムシは、栄養たっぷりのおいしいミルクを出す牛のようなものなんですね。