皆さんは3Dプリンタという機械をご存じだろうか。今まで触ったことはなくても、名前ぐらいは聞いたことあるはずだ。3Dプリンタとは、STLと呼ばれるフォーマットのデータをもとにして、線状の樹脂を熱で溶かしながら積層することで立体モデルを作成する機械のことである。まるで、魔法のような機械にも思えるが、3Dプリンタをうまく使いこなし、思い通りの立体物を生成するのは意外と難しく、かなりの技術が必要なのだ。

2022年7月9日に投稿された、きょうへい@はーどうぇあえんじにあ@kyouhei_craftさんの「3Dプリンターはなんでも作れる魔法の箱とお考えの方へ 現実はコレです。」というツイートには、3Dプリンタから大量に謎の糸状の物が飛び出した画像が添えられている。この投稿には、3.8万件を超える「いいね」が押され、ツイッター上で大きな反響を呼んだ。

今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。

赤いモジャモジャの正体は?

画像に写っている、赤い糸状のモジャモジャしたものは一体なんなのだろうか。実は、これが3Dプリンタで立体物を作る際に必要な樹脂なのである。写真ではやわらかい糸のようにもみえるが、これらはプラスチックでできており、3Dプリンタはこの糸状の樹脂が何層にも重なり合うことで、うまい具合に立体物が生成されるという仕組みなのだ。

昨今の某ニュースで、凶器となった銃の制作に、3Dプリンタが使用されたのではないかといった憶測が飛び交ったことから、3Dプリンタを使えば簡単に色々なものが作れると勘違いしてしまった人が意外と多いかもしれない。しかし、実際に3Dプリンタを動かして思い通りの物を作ろうと思うと、細かな設計や設定などさまざまな条件を考える必要がある。

きょうへい@はーどうぇあえんじにあさんは、3Dプリンタを使えば、素人でも気軽に色々なものが作れるという訳ではないことに加え、銃の製造と3Dプリンタを必要以上に関連付けないでほしいと思い、今回の投稿を行ったそうである。

3Dプリンタは意外と難しい!?

このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「ネットに落ちているstlデータさえ有れば色々な造形物がプリントされると思って購入したことがあります。

実際は、印刷中に安定したバランスを保てるように台座的な物を書き足したり、肉厚の設定をしたりとか、自分には使いこなせませんでした」と、使ってみると3Dプリンタの操作はそこまで甘くなかったとの声や、写真に写る赤い糸状の樹脂を見て「彼岸花を作っているのか……綺麗だな……と思ってしまいました」と、ポジティブな意見を寄せる者など、リプライ欄にはさまざまなコメントが飛び交っていた。

赤いもじゃもじゃは何?「3Dプリンタの現実」ツイートが話題
このもじゃもじゃこそ、3Dプリンタで立体物を作る際に必要な樹脂(画像は「きょうへい@はーどうぇあえんじにあ(@kyouhei_craf)さん」提供)(画像=『オトナライフ』より 引用)

過去に筆者も、会社の部活動で3Dプリンタを使ったことがあるのだが、3Dモデルを作成する段階から、すでにハードルが高かったのを覚えている。3Dモデリングを行うには、まずツールの使い方をしっかりと覚える必要があり、作りたい物の正確な寸法や角度を入力しなければいけない。

先輩に手取り足取り教えてもらったが、思い通りの立体物を作ろうと思っても、なかなか上手くいかずに挫折してしまった。きちんとした立体物を生成できていた同期の作品のバリ取りを手伝うのですら、不器用な筆者にとってはなかなかの難易度だった。