沖縄の海に眠る戦跡に想いを馳せる

沈没した海軍の艦船などの権利は旗国にあるという考え⽅が原則であるものの、漂流物及び沈没品の拾得時の取扱いについては⽔難救護法などにより「明確な廃棄に当たるもの⼜は経済的な価値がないものについては、その財産的保護を図る必要性がない」とある。しかし今回の発⾒が沈没品に該当するかについては、慎重に判断されるべきものであり、安易に海中から引き揚げたりするべきではないと考えている。なお、発⾒後に海上保安庁は報告済みだそうだ。

沖縄には古宇利島沖に眠るアメリカの掃海駆逐艦そうかいくちくかん「エモンズ」がレックとして有名で、ここ数年で多くのダイバーがその存在を知り、潜るようになった。現在までその姿を保ち、潜ることができる艦船としては⽇本において唯⼀無⼆の存在ではあるが、ここ数年、環境変化による影響などから劣化が激しく、少しずつ崩れているのが現状である。

しかしながら、エモンズがこれだけしっかりと残っていることから、他のレックもあるのでは?と⽬を向けてみると、戦後、特に朝鮮戦争などが勃発した際に鉄不⾜などの影響で沖縄近海に眠っていた多くの沈没船がサルベージをされたという話もあり、そのほとんどが知られていない。しかしながら、おそらくまだ私たちが⽬にしたことのないようなレックがまだまだ多く存在しているのではないだろうか。

今回の発⾒はそういった可能性を⽰してくれるものであろう。

海中に眠る大量のライフル「M1ガーランド」を沖縄・残波岬沖で発見
(画像=ポイントからはライフル以外にも⼈⼯物が⾒つかっている。このボックスもアメリカ軍が残していったものだろうか、『オーシャナ』より引用)

今回、お世話にになったイングリッシュエンパイアダイバーズのリチャードさんも「私は歴史が⼤好きなので潜るたびにとても感慨深く、興味深く思っています。(特に今回の発⾒は)アメリカ⼈にとっては多くの理由で象徴的なものであり、そこに眠る銃に想いを馳せるのではないでしょうか」とのこと。

恐らくそれは⽇本⼈にとっても同じことであり、過去にあった戦いを消すことはできないが、それを知り、学ぶことができる。そして未来に⽣かすことができると私は考えている。⽔深も⽐較的浅く、レジャーダイバーも受け⼊れているとのことで、もし興味があれば、イングリッシュエンパイアダイバーズにコンタクトを取り、歴史の⼀部を⾃⾝の⽬で確かめてみてはいかがだろうか。

*今回お世話になったのは
→English Empire Divers

海中に眠る大量のライフル「M1ガーランド」を沖縄・残波岬沖で発見
(画像=『オーシャナ』より引用)

沖縄、北⾕をベースに海をこよなく愛する陽気なイギリス⼈、リチャードさんがさまざまなレベルの能⼒に対応したダイビングを提供。10年以上の経験を持つガイドで、外国⼈ゲストが多いのが特徴だが、⽇本の⽅で英語に触れたい⼈も⼤歓迎。奥様は⽇本⼈の美和⼦さんでお問い合わせは⽇本語でも⼤丈夫です。

提供元・oceanα

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