スパゲティで得られた成果はカーボンナノチューブにも適応できる

「乾麺パスタを折ると3つ以上の破片になる理由」を解明した研究
(画像=スパゲティから得られたデータは最新の材料科学や分子生物学でも活かせる / Credit:Canva/ナゾロジー編集部、『ナゾロジー』より引用)

スパゲティにかける研究者たちの情熱により、普通にスパゲティを曲げても2つに割れない理由が明らかになるとともに、ひねりという条件を加えることで2つに割れることが示されました。

一般の人々やスパゲティを割らないことを好むイタリア人にとっては、比較的どうでもいい内容かもしれません。

しかしスパゲティから得られた結果は、最先端の材料であるカーボンナノチューブやマルチファイバー構造、細胞内の微小管などに適応可能であり、今後様々な繊維材料の力学的な理解に役立つと考えられます。

またスパゲティそのものに対する科学者の興味は尽きることなく、2021年になってから行われた研究では、最初の割れ目が時間的によってどのように形成されるかを条件に加えることで、より詳細な計算モデルを確立できることが示されました。

人類の技術力はスパゲティによって進歩するといっても、あながち言い過ぎではないかもしれません。


参考文献

MIT mathematicians solve age-old spaghetti mystery

元論文

Fragmentation of Rods by Cascading Cracks: Why Spaghetti Does Not Break in Half

Controlling fracture cascades through twisting and quenching


提供元・ナゾロジー

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