難易度AAAクラスの暴風
だんだん周りが暗くなるにつれ、常夜灯の光が効力を増していく。「ん~、ベイト入ってきて濁りもあるんだけどな~、浮いてないな~」。
あきらめず暴風の中キャストを続けていると、シーバスの姿。「お!出てきたな」。
だが様子がおかしい、いつもならド派手に水面爆発並みの捕食行動だが、この日は水面直下「モアッ」「これは~、難易度AAAクラスだぞ」。
風がそよ風程度ならトップ系をキャストできるが、暴風なため軽いルアーはもろに風の影響を受ける。かといって下から水面の小さいものを捕食している個体は、水中で横に動くものには反応しない。ここでいうミノー系だ。
サイトで1.5kgアオリイカキャッチ
「ん~……」。頭から煙が出そうなぐらい悩み、各種ルアーやワームをキャストするが、とことん無視……。「潮が変わるまで待つか?」。
普段なら待ってもいいが、この日は暴風雨。体力は持つが、精神面でキツい。「今日は無理かな~。お!おぉ?」「あの影はデカい……釣れるぞ」。直感的に釣れると思い、すぐにエギスタのオレンジゴールドラメをスナップに付けて、影の進行方向を確認し、風向き・強さを考慮しキャスト!
「雨で見えん!行ったか?」。白くなった影がオレンジゴールドにゆっくり近づき、抱いた!「あ、抜けた!まだいるか?」。
カンナには触れておらず、スミも吐いてないことから、まだチャンスはあると思い、もう一度、進行方向に向けキャスト!「お~、突進しながら行ったな(笑)」。
完全に抱いたのを確認し、アワセを入れる!「ジッジィィーー、ジッジィィーー!」「やっぱり、まぁまぁあるな」。ここまでくれば、言わずもがな正体はアオリイカ!「よくこの暴風雨の中、来てくれたな」。
無事ネットインしたのは、1.5kgのオスの個体。「いや~、アオリに助けてもらったな」。
この後はシーバスのやる気のなさに加え、暴風雨に耐えられず帰路に。
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<週刊つりニュース西部版APC・日髙隆行/TSURINEWS編>
▼この釣り場について
通詞島
この記事は『週刊つりニュース西部版』2021年7月2日号に掲載された記事を再編集したものになります。
提供元・TSURINEWS
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