ひと口にハゼといっても、さまざまな近縁種がいる。その中でも、釣りのメインターゲットとなるのはマハゼだ。今回はボートで狙うマハゼ釣りをピックアップする。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

ハゼの特徴

ハゼの寿命はおよそ1年。春から初夏に生まれ、7月ごろには10cm前後になり、「デキハゼ」と呼ばれる。

8月の盆すぎには15cmを超えるものが顔を見せるようになり、9月以降になるとさらに良型化、「彼岸ハゼ」の愛称で親しまれている。

特徴は、大きな口と目。愛嬌たっぷりでユーモラスな顔。大きな口で活発にエサを捕食する。浅瀬の海底に腹をつけて生活しているため、腹ビレが吸盤状になっていて、岸壁に張りついていることもある。

ボートハゼ釣りタックル

千葉県江戸川放水路のボート釣りは、水深1~2mの浅場を探るので、2.4~3m前後のノベ竿がいい。水深に合わせられるよう長さの違うものが揃えられればベスト。リール竿でも問題ないが、手返しの点であまりお勧めしない。

船宿でレンタルできる手バネは1.5~2mと短く軽いうえ、イト巻きからミチイトを出せば少し深い場所にも対応できる。釣趣を優先して専用の中通し和竿を愛用するファンもいる。ミャク釣りでは持ち重りしない先調子ならアタリが取りやすい。

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(画像=ボートハゼのタックル(作図:週刊つりニュース関東版 編集部)、『TSURINEWS』より引用)

仕掛け

ミチイトはナイロン1.5号前後。最近は感度を重視して0.6~0.8号のPEラインラインを使う人もいる。ハリスは0.8~1号でオモリから3~5cmほど上に枝スを結ぶ。枝スの長さは4~8cm。結び方がわからなければ、ワンタッチでハリス付きのハリが付けられる自動ハリス止めを介してもいい。仕掛けの全長は竿の長さと同じくらいが扱いやすい。ハリは袖4~6号、またはハゼ5~6号。

オモリはナス型やタイコ型の1~2号。障害物周りで石と石の間に挟まって失くすことがあるので数個予備を用意。

エサの刺し方と管理

青イソメが一般的。付け方は、頭の硬い部分を取り、ハリに沿って通す。タラシは5mm~1cmくらいで、食いがいいときは短め、食いが渋いときは長めにする。

エサは炎天下に直接置くと痛みが早いので、使うぶんだけ小出しにして、残りはエサ箱に入れ、クーラーしまっておく。

その他のアイテム

複数本の竿を使用するときにはボートの船べりに付ける竿掛けがあると便利。また、釣った魚は編み目のこまかいフラシに入れる。竿掛けや船べりについたオールの受け金具などにかけておくといい。ある程度魚がたまったらチャック付きビニール袋に入れて氷の効いたクーラーへ。

日差しの強い季節なので、帽子や日焼け止めは忘れずに持参、熱中症予防のためにも十分な飲み物を用意する。凍らせたペットボトルが数本あるといい。

ボートハゼの釣り方

ハゼの釣りポイント選びとアタリ、アワセのコツ。

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(画像=ファミリーでのんびり(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)、『TSURINEWS』より引用)

ポイント選び

シーズン初期は桟橋近くでOK。ハゼが下流に落ちてポイントが遠くなれば、釣り場まで船外機付き艇で引き舟してくれる。

ハゼは潮の干満により着き場が変わるので、アタリが遠のいたら小移動するのが基本。ボート釣りではポイント選択が自由にできるので、機動力をフルに生かしたい。アンカーロープを伸ばすだけでも簡単にポイントを移動できる。

浅いところではボートのオールで底を突けば、地形を把握できる。水深の違いや、砂底なのかカキ殻などが溜まっているかが分かる。底の変化があるところを次つぎ探るといい釣果がでやすい。

アタリ~アワセ

竿を使って振り込むように仕掛けを軽く投入。アタリは竿先にムズッとかブルルッと訪れるので、軽く竿を立てる。この最初のアタリでアワせていくのが数を釣るコツ。

しかし、このアタリは、意外とわかりづらい。小さいブルブルといったアタリはアワせても空振りすることが多い。慣れないうちは、イトが横に走ったり、確実に竿先が引き込むアタリだけを取っていく。

また、タラシ1cm前後と大きめのエサを付けて「ハゼを寄せる」ことも大事。移動後などに大きなエサを投入すると、一気に食べられないため海底で暴れる。その砂煙を見たほかの魚が群がり、エサの取り合いになる。1、2尾釣って「アタリが増えたな」と感じたら、再びエサを小さくするのも一手。