異端から本筋を学ぶ

(画像=カモノハシの赤ちゃん / Credit:Canva、『ナゾロジー』より引用)
今回の研究でカモノハシの遺伝的特殊性が明らかになりました。
カモノハシの遺伝子を調べることで、古代の哺乳類がたどった進化の軌跡を学ぶことが可能になります。
それは、今日生きている動物をよりよく理解するのに役立つでしょう。
事実、今回の研究では毛皮を作るために必要な発毛遺伝子と、免疫にかかわる遺伝子が、哺乳類になってから大きく拡大したことが発見されました。
体温を維持する毛皮と、多種に比べて高度な免疫システムは、哺乳類の大きな武器となっています。
一方、母乳の成分にかかわるガゼイン遺伝子では、カモノハシはヒトと同じものを持っていることが明らかになりました。
この事実は、授乳の習慣は卵生から胎生への移行よりも早く獲得されたことを示唆します。
研究者は今後、カモノハシの遺伝分析をさらに進め、哺乳類の起源と進化の謎を追及していくとのこと。
成果が出れば、異端から本筋を解明する成功例として意味あるものになるでしょう。
参考文献
inverse
提供元・ナゾロジー
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