「先祖返り」はどのように起こる?

野生のウリ科は、ククルビタシンが多量に含まれていましたが、長年の品種改良によりほぼ排除されました。

しかし、他種同士が偶然に交配してしまうと、先祖返りが起こって、再び多量のククルビタシンを含む野生種が誕生しかねません。

実際、ウリ科の植物は交雑性が強いため、かなり離れた場所に植えていても、異種交配を引き起こすことがあるそうです。

他にも、不規則な水やりによる水分不足や冷蔵庫での長期保存など、環境ストレスによってもククルビタシン量が増加することがあります。

家庭菜園や自家栽培をする方は注意が必要でしょう。

夏野菜の「先祖返り」に要注意!食用の野菜が”危険な野生種”に逆戻りする
(画像=Credit: pixabay、『ナゾロジー』より引用)

ただ不幸中の幸いで、ククルビタシンは「苦味」という点で簡単に見分けがつきます。

シンプルにいつも食べている作物より明らかに苦味が強ければ、植物が「食べないで、危険ですよ」というサインを出している証拠です。なので、ククルビタシンの過剰摂取による中毒例はあまりありません。

夏野菜を食べる際は「苦味」に注意して、夏を乗り切りましょう。


参考文献

theguardian


提供元・ナゾロジー

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