仕事で「大きなミス」をしたことはありませんか?
今回はそんな仕事でミスをしたエピソードについてMONEY TIMES編集部が取材しました。

製薬会社で治療薬の開発

ある製薬会社の研究部門で、前立腺肥大症治療薬の開発に携わっていた時のことです。
臨床試験も終盤に差し掛かり、治験のデータは良好で、既存の前立腺肥大症治療薬である先発品との比較でも遜色はなく、取締役会議においても厚生労働省への承認申請に向けて申請書類の作成を進めるようにと、お墨付きが下される状況となっていたのです。
私は、部長からの命を受け、申請書の作成を任されることになりました。
この申請を無事にこなし、承認を得ることが出来れば、社内での私の評価は確実に高まるし、将来的な昇進にも大きく寄与するはずでした。
とんとん拍子に進んできた開発は、このまま最後までスムーズにいくはずだったのですが、申請書を作成していく段階で、ある問題が持ち上がってしまいました。
その問題というのは、開発中の医薬品の有効期限に関するものでした。

有効期限をクリアできず…

有効期限を先発品と同じ2年と設定していたのですが、安定性試験の結果が芳しくなく、概ねは2年間をクリアしていたのですが、サンプルの幾つかがその期間を満たさないという結果。
有効期限を1年6ヶ月に変更すれば問題はないのですが、それでは、先発品との競争に勝てません。
そこで、私は一大決心をして大きな賭けに出たのです。それは、実施した安定性試験の結果では、2年間を満たさなかったサンプルは全体中の極一部だったので、申請までに再度データを取り直すことにしたのです。
恐らく、もう一度データを取りなおせば、有効期限2年間はクリア出来ると考えたのです。
しかし、その想いはかなくも裏切られ、初回のデータよりさらに悪い結果となってしまったのです。

先発品との競争に勝てない製品を上市しても仕方がないとの、会社上層部の判断が下され、この開発は中止となってしまいました。
私の目論見は無残にも費え、会社には少なくとも三桁の損失をもたらす結果となってしまいました。

(60代・男性)

今回は、仕事でミスをしたエピソードについてまとめました。

文・MONEY TIMES編集部

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