海外の日系議員はなぜ少ない?
先日、在カナダ日本大使と2時間ほど話をする機会がありました。その中でふと話題に出たのが「カナダに日系議員がいないのはなぜだ?」。アメリカにも連邦議員はダニエル井上氏などがかつて活躍しましたが、非常に少ないのが現状です。この答えが出ず、昨日、総領事とその続き談義をしたのですが、いろいろ理由は思いつくものの断定できるような結論に至りませんでした。
カナダやアメリカに来る日本人や日系人はわりとまとまらないとされます。住む場所はバラバラ。団結もよほどの共有できる内容でないとバラバラ。一方の中国人、韓国人はコミュニティががっちり固めるので英語が出来なくても仕事もできるし、暮らしも問題ありません。商店の看板に中国語や韓国語は見かけますが、日本語の看板など皆無でしょう。これはアイデンティの問題なのでしょうか?
一方、日本の参議院選挙はいよいよ佳境ですが、立候補者数は545人で1995年以来の500人越えとなり過去6番目の多さとのこと。東京などは泡沫の泡沫と思われるような候補者も「おらが街をよくすっべ」と立ち上がります。ではなぜ南米では日系人政治家が多いのかの説明はどうするのだ、と言われれば「おらが街」という意識をもった開拓精神がそうさせるということなのでしょうか?先進国に居を構える日系人は現状満足型なのでしょうか?これはよい研究課題になると思います。
後記
今日はカナダ建国記念日。パレードなどたくさんのイベントが各地で繰り広げられ、街はお祭り気分になります。私はこんな祭日なのにディールが一本あり、その契約で休み気分に浸れず。そういえば日本の建国記念日にはなにか国や街を上げてお祭りがあったかな、と記憶が蘇りません。コミュニティで音楽を奏で、老若男女が手を取り合い、国が一つにまとまるというイベントは移民国家カナダにきて初めて知りました。これぞ国家のまとまりだ、と。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年7月2日の記事より転載させていただきました。
文・岡本 裕明/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?