今まで関東学連登録校のみの参加だった箱根駅伝は24年正月大会が100回目になるのを記念し、日本学生陸連に幅を広げることになりました。個人的には幅を広げても関東勢が圧勝するのはほぼ確実とみています。理由は有力校の学生の青田買いと中学、高校生ランナーの箱根へのあこがれから一部の強豪大学に有力な学生が集中する仕組みがあるからです。学生は少子化でどんどん減っています。当然、長距離ランナーを目指す学生も減ります。マーケットの底が浅くなった今、全国に中途半端に広げてもレベルの向上になるのか、論理的には難しい気がします。

では今週のつぶやきをお送りします。

ふらつく相場

正直、市場を読み込むのに苦労しています。方向感がないのです。7月に入ったので売り方も買い方も模様眺めのような気もします。下がれば買いが入るし、上がれば売りで頭を押さえる、そんな感じでしょうか?ただ、今年の上半期が記録的な下落相場だったと言われてもそうだったのか、と切迫感もありません。S&Pが1970年来、ダウが1962年来、ナスダックは過去最大の下落だったと言われてもそうだったかな、と感じるのは真綿で首を絞める感じだったからでしょう。

日本の法人で買っていた投資信託が6月末に1年程度で繰上償還されました。元本をわずかに上回っていました。銀行主導で購入し、購入当初は担当者から「順調に育っています」とメールでお知らせ頂いたのにあれよあれよという間に下がったことが理由のようです。銀行担当者に「で、このあと、この現金どうする?次の投信は?」という質問にしばし答えがなく、絞り出すように「もう少し待ちましょう」。株式という生き物の動きを予知できる人はいません。予想は出来ても当たらないこともあります。但し、予想の理由を分析するのは意味があることです。

総悲観という言葉があります。バブルの頃に主婦から学生まで株やビットコインを買っていた総楽観の真逆の意味です。総楽観が下落の始まりとされるなら総悲観は上昇の機運という逆張りの発想はありえます。ただ、もう一つの格言「落ちてくるナイフはつかむな」とかウォール街にはぞっとする格言「Dead cat bounce (死んだ猫でも、高いところから落とせば跳ね返る)」といった下落の中の小反発に騙されるなという言葉もあります。私の予想は夏は小康状態、秋にもう一波乱の予想ですが、FOMCが7月に50bpの利上げに留め、記者会見でパウエル氏が物価鎮静化傾向を認めれば猫は生き返るかもしれません。

予想されたサハリン2のロシアによる奪取

洋上風力発電は安すぎた三菱商事の独占を嫌って皆さんに市場開放
(画像=洋上風力発電 エネルギー庁HPより、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

日本の金曜日に突如襲ったロシア、サハリン2の実質的に外国企業排除となりうる大統領令の発令に日本のエネルギー政策は大揺れとなりました。サハリン2は三井物産、三菱商事が合計22.5%出資し、液化天然ガスを日本に輸出する事業を展開していました。その輸入量は年600万トンで日本全体の1割程度とされます。これが消えるかもしれません。理由は日本はロシアから見て「敵国」だからです。

消えた場合、不足するLNGをどうするのか、これは難関です。世界でLNGは奪い合いで価格もスポット取引になるのでサハリン2の取引価格の数倍になるでしょう。ではLNG不足を原油などで代替できるかといえば聞こえてくるのは産油国の「産出限界」。つまり増産したくてももう物理的にこれ以上出せないぐらいの状態にあるということです。商社の投資損などまったく話題にも上がらず、むしろ、日本のエネルギーをどうするのか、いよいよ切羽詰まってきた感じがします。

先日、ある人と話をしていたら「日本は潜在的に地熱発電のメッカとなれるのにそれを使えないしがらみを自ら作っている」と。日本の地熱発電の技術はなんとインドネシアで利用されています。これってなにかおかしいですよね。日立はGEと一緒にカナダで小型原発を受注済みで28年稼働を目指しています。最新型の小型モジュール炉です。これも何か変ですよね。日本にはエネルギーがない、だけど地熱もダメ、新型の原発もダメ。挙句の果てに洋上風力発電は安すぎた三菱商事の独占を嫌って皆さんに市場開放。日本って本当に理解するのに難しい国です。