耳と舌を刺激する「世界初の耳鳴り治療装置」
開発された耳鳴り治療装置「Lenire」は、脳の感度を高め、耳鳴りの症状を引き起こす脳の過活動の排除を目的としています。
そのために、以前から研究されてきた「バイモーダル神経調整」と呼ばれる音と電気刺激による混合アプローチを採用。患者は2つのデバイスから刺激が与えられます。
その1つは口にくわえた電極べらです。これにより舌を通して三叉神経に刺激が与えられます。ちなみにこの刺激は舌の上でパチパチとはじける「ポッピングキャンディ」に似ているとのこと。
そしてもう1つは、Bluetoothヘッドホンです。ヘッドホンからは調整された音(電子音楽のように聞こえる)が流れ、これにより聴覚神経を刺激します。
舌と耳への刺激は軽量のコントロールデバイスで制御されており、刺激のタイミングや強度が調整されます。
実際、Lenireを用いた273人の治療テストでは、参加者の86%で症状が改善し、耳鳴り重症度スコア(1~100)が平均14ポイントも低下しました。
このテストは1日最大1時間の治療を12週間続けるというものでしたが、治療後1年間の追跡では治療効果が継続していたとのこと。
この結果についてリム氏は、「耳鳴り治療において、医療機器によるアプローチの長期的な結果が評価されたのは初めて」と述べています。
今回のテスト結果は、耳鳴り治療のビッグニュースとなりました。今後研究チームは、Lenireの市販に向けて更なる調整と研究を続ける予定です。
参考文献
sciencealert
提供元・ナゾロジー
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