日本の水道水というのは、非常高い安全性を保っていると言われていますが、そのまま飲むというのが多数派とは言い難いものです。安全性を最大限確保したいのであれば、沸騰させて含有物質を除去するのが効果的です。今回は、水道水の煮沸の仕方などについて解説します。
目次
水道水をそのまま飲むのはよくない?
水道水をより安全に飲むためには沸騰させよう!
水道水をそのまま飲むのはよくない?

水を飲む、となった時に、水道水をそのまま飲むという方は、おそらく決して多くないでしょう。飲むならばミネラルウォーターやウォーターサーバーを使って飲む方が、美味しいからです。
水道水は危険なの?

割と危険視されがちな水道水ですが、基本的には人間の体に害を及ぼすような事はありません。というのも、日本の水道水というのは世界的にも厳しい検査基準が設けられており、それをクリアしなければ水道に流れないのです。
水道法では、51もの水質基準が設けられており、加えて27項目の水質管理目標設定項目や46項目ある要検討項目といったように、蓋を開けてみれば非常に多くの検査を行って、高い安全性を保っているのです。
水の基準に関しても、WHOが定めている飲料水水質ガイドラインを元にしており、これが全国で適用されていますから、均一に世界的に厳しい基準をクリアしている水が供給されています。
水道水のカルキ臭が気になる?

しかし、水道水を飲むのを控えている中には、カルキ臭という独特の匂いが気になっているのが理由という方も居ます。このカルキ臭がある原因というのは、水道水中に含まれている残留塩素によるものです。
正確には次亜塩素酸ナトリウムというものですが、これが水道の元となる水に入っていたアンモニア性窒素と反応する事によってクロラミンという物質が生まれます。これが、カルキ臭の正体です。
塩素については、原水に混じっている微生物など、人体に有害になるであろう物質を除去し、安全なままで家庭に届けるために水道水にわずかに含まれているのです。
水道水をより安全に飲むためには沸騰させよう!

塩素が含まれているのは、水道水の安全性を最大限確保したまま各家庭に届けるためでもあります。残留量に関しても厳しく設定されているものの、他にもトリハロメタンという発がん性がある物質の存在も気になります。
水道水を沸騰させるメリットは?

そんな気になる残留物質を除去させられるのが、沸騰という方法です。残留塩素、トリハロメタンの2つは水道水の安全性を考えるうえで非常に気になりますが、煮沸、沸騰が非常に効果的なのです。
沸騰させることによって残留塩素を揮散させられるので、先に述べていたカルキ臭や発がん性のトリハロメタンという気になる物質の心配なく水道水が飲めるようになります。
また、赤ちゃんに飲ませるという事を考える場合にも、大人が飲む以上にデリケートになりますので、やはり煮沸が効果的です。加熱殺菌によって、ミルクを飲ませる時等にも安心して使えます。
水道水を沸騰してカルキ抜きにかかる時間

水道水をやかんなどに入れて沸騰させるだけで、簡単にカルキ抜きや残留物質除去が出来るということになっていますが、少なくともカルキ抜きをする為には5分以上は沸騰させなければなりません。
思っている以上に長い時間がかかると思われるかもしれませんが、これに加えてさらにトリハロメタンを取り除きたい場合、最低でも10分以上は必要です。これは、トリハロメタンは水の温度が上がる事で一度増量するからです。
その為、沸騰後もしばらく加熱を続ける必要があり、極力安全性を確保したいという場合には、合計で40分間は沸騰させ続けなければならない、ということになります。
カルキ抜きにかかる時間は自治体による

基本的には、カルキ抜きや残留物質を取り除くのは沸騰させるというのはしっかりと効果があります。ただ、不純物除去というのは煮沸にかかる時間が各地方の自治体によって異なっているのです。
その理由は、地方自治体によって水道水内に含まれている成分が微妙に異なっているからです。数値としては非常に分かりにくい差でも、しっかり取り除かなければ気になる臭いが残ったままということになります。
含有成分によって煮沸にかかる時間が異なるわけですが、ご自分のお住まいの地域の自治体水道局のホームページでは、煮沸条件なども掲載されていたりしますので、これを事前にチェックしてみましょう。