国潮トレンドの現在、グローバルブランドはどうなっている?
近年中国では、国力の増強で国民の民族に対するプライドが高まり、「国潮」がブームとなった。特に2、3年前からコスメやアパレル分野で国産ブランドが大手グルーバルブランドの売上を超えるケースが多く、国民の国産ブランドに対する支持の現れといえるだろう。
最近では2019年「独身の日」セールにおいて、国産コスメブランドであるPerfect Diary(完美日記)がロレアルなど大手グローバルブランドを打ち負かし、Tmall(アリババ)コスメカテゴリーの1位に輝いたのが記憶に新しい。
しかし、今回の618セールでは、国産ブランドの勢いに変化があったようだ。現地メディアによると、TmallにおけるGMVベースのコスメカテゴリーランキングでは、ロレアル、エスティ・ローダー、ランコムがトップ3位で、Perfect Diary、花西子(Florasis)など国潮の代表格と呼ばれた国産ブランドの姿が見えなくなったのである。
さらに、スポーツ分野では、Adidas、ナイキがトップ2に復活。国産ブランドのAntaは4位にランクダウンした。
近年のグローバルブランド状況を振り返ると、2021年に起こったウイグル綿事件がAdidasを含む、複数の海外ブランドに影響を及ぼし、同年には国産ブランドのAntaがadidasを抜けてシェア2位に。さらに、Adidasの2022年Q1の決算は、売上が前年比3%減少。中華圏の売上が35%減少したことが全体売上の減少に影響していた。
近年のグローバルブランド状況を振り返ると、2021年に起こったウイグル綿事件がAdidasを含む、複数の海外ブランドに影響を及ぼし、同年には国産ブランドのAntaがadidasを抜けてシェア2位に。さらに、Adidasの2022年Q1の決算は、売上が前年比3%減少。中華圏の売上が35%減少したことが全体売上の減少に影響していた。
そんなAdidasであったが、Douyin(Tik Tok中国版)に注力することで、挽回を図っていたようだ。その甲斐もあり、今回Douyinの618全ブランド売上ランキングでは、Adidasは1位に急上昇した。
元々、Adidasは2020年にdouyinのアカウントを開設。ライブコマースを強みにEC業界でシェアを拡大しているdouyinにリソースを投じてきた。今回の618では、Adidasが中国市場進出25周年を記念としてdouyinと連携。5月18日から5月24日までYEEZYの新作一万着の独占発売をdouyinで実施した。さらに北京五輪の金メダリスト苏翊鸣をライブ配信に招待し、話題を作り出したことが売上1位につながったようだ。
Adidasとdouyinの連携は大成功を収め、この7日間のGMVは1.7億元を超過。adidasは1週間連続でdouyinのブランド売上ランキング1位となった。
国潮のトレンドを追い風に成長してきた中国国産ブランドがブランド力を磨くと同時に、Adidasなどのグルーバルブランドも中国の複雑な環境に順応し、様々な対策を打ってきている。
成長が鈍化し、国内勢と海外勢が競争する現在、中国EC市場は今後どのような変化を遂げていくのだろうか。
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