■Douyinで学習コンテンツが近年ブーム

プラットフォームの変化も人気の一因である。Douyinが去年10月に公開したデータによると、ライフハックや科学分野に関するコンテンツが急増しており、人気を見せていた。Douyinでは英語だけでなく、日本語で語り合うボイスチャットルームのライブ配信もあり、語学勉強に興味を持つ者は多い。

新東方のライブコマースは長い間Douyin上で思うような成果を挙げることができなかった。動画のハート数から見ても、ライブコマース自体よりも事業転換に至った裏話の方が人気だった。

バイリンガルライブの成功により同社への注目度は急騰し、元英語教師だったライバーにも視線が集まっていた。また、こうしたブームを受けてバイリンガルライブに着手する競合も増えていた。

今回の人気上昇は新東方にとっては事業拡大のまたとないチャンスだ。そのため、同社は月給5~6万元(約100~120万円)でバイリンガルライバーの人材募集をかけた。その上、自社サプライチェーンの構築にも意欲的だ。

ライブコマース事業の人気を受けて、傘下のオンライン学習塾企業「新東方在線」も急騰を見せた。しかし、それと対照的に株主であるテンセントは15、16日に7.2億香港ドル(約125億円)で大半の保有株を売却した。米大手投資機関のモーガン・スタンレーやJPモルガンらもそれに続いた。

投資側からすれば、今回のブームは転機ではなく、双減政策で株価が暴落した保有株を手放す最大のチャンスとなったようだ。

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