お金持ちと起業家、一般人では「時間」や「税金」に対する考え方がまったく異なる。お金持ちの考え方を学び、自分とどう異なるかを比較してみてはどうだろうか。

「お金持ち」とはどんな人たちか?

「お金持ち」のイメージは人によって違うだろうが、一般的には「お金をずっと持ち続けられる人であり、お金がお金を生み出す仕組みを持ち、その資本収益だけで生きていける人」を指すことが多い。持っている資産が自己増殖を続け、そのリターンだけで生きていくとなると最低でも1億円、できれば3億円か5億円は欲しい。

起業家はその名の通り、起業してビジネスを立ち上げそのビジネスが生む収益で生活をする人のことである。筆者もこの起業家にあたる。起業家と一口に言っても、年収はさまざまだ。年収が1億円を超える人も、300万円の人も、起業したビジネスで生活をしているなら起業家である。

そして一般人とは、まさにお金持ちでも起業家でもない人のことだ。サラリーマンがその代表であり、ほとんどの人が一般人に属することになる。

「時間の使い方」の違い――一般人は時間を切り売りするが……

「一般人は自分の時間を切り売りして稼ぎ、起業家は時間すべてをビジネスに捧げて稼ぎ、お金持ちはお金がお金を稼ぐ」

お金持ち、起業家、一般人はそれぞれ異次元の世界の住人だ。時間の使い方一つとっても、それがわかる。

一般人、サラリーマンは、所属する会社に時間を買い取られている。朝9時から18時までは会社のために働く。その後の時間は何をしてもいいのだが、会社のために使うことも少なくない。

起業家は「ビジネス=人生」という人も多く、寝食を忘れて仕事に取り組む。その熱量は一般人を圧倒するレベルだ。

お金持ちは「資産を増やす研究」に時間をかける。筆者がお世話になったビジネスパートナーも、現在は海外に住んでいて毎月2,000万円が世界中から安定的に入る仕組みを持っている。さぞかし暇なのだろうと思われそうだが、彼は一日中投資の研究をしている。

「税金に対する考え方」の違い――一般人は無関心、お金持ちは戦う!

「一般人は税金に無関心で、起業家は税金を気にせず、お金持ちは人生をかけて税金と戦う」

一般人はそもそも税金を知ろうとしない。給与所得者は源泉徴収されているので、税金をコントロールできる余地はほとんどないからだ。

起業家は所得が増えると、税金を無視できなくなる。だが、夢中にビジネスをしている起業家は、税金は税理士に丸投げというパターンが多い。ビジネスに全神経を集中させているからだ。

お金持ちは税金と戦う立場にある。国ごとにインカムゲインやキャピタルゲインに対する税率に違いがあり、高額な課税を逃れるために日本での生活を捨てて、税金の安い国へ海外移住をする人もいるくらいだ。まさに人生をかけて税金と戦っているのである。

「メディア露出の考え方」の違い――起業家は露出を好むが……

「一般人はメディアに縁がなく、起業家はメディア露出を好み、お金持ちはメディアに出ない」

一般人は基本的にメディア露出に縁がないし、ビジネス上のメリットは得られない。

起業家の中にはメディア露出が好きな人もいる。自分のビジネスの成果をお披露目できる場であり、また露出が増えることでビジネスチャンスにもなるからだ。筆者も何度もテレビやラジオなどに出演したが、そのたびに自社商品が良く売れ、講演や執筆依頼などが舞い込む体験をした。このように、メディア露出はマーケティングに直結するのである。

お金持ちは、ほとんどメディアに出ない。むしろ出ることを嫌う人が多い。

兵庫県・芦屋に六麓荘という日本屈指のお金持ちエリアがあるが、そもそもその存在を知らない人も多いだろう。彼らは、お金持ちであることを知られることは泥棒や詐欺を招くリスクでしかないと考えている。お金持ちはひっそりとお金持ち同士で付き合い、メディアにはほとんど出てこないのである。

文・黒坂岳央(高級フルーツギフトショップ「水菓子肥後庵」代表)
 

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