評価が不自然に高いカフェ

先日、あるカフェでトーストランチをいただきました。

少しパサついたパン。やや固めのベーコン。薄いカフェラテ。貧乏舌の私の評価は5段階で「3」(うん。リピートはないな)。ところが、Googleマップのレビューは軒並み「5」。全体評価も「4.7」と、とても高い。なぜ? 理由は、会計時の店員の説明でわかりました。

「Googleマップにレビューを投稿して、スマホの画面を見せていただくと10%割引します」

食べログ評価に見切りをつけるとき
口コミ投稿を求めるカフェのスタンプカード(右下の黒い箇所はQRコード)(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

なるほど。店員に見せるとなれば、悪いレビューは書きにくい。この効果は大きいようで、Googleマップには、軒並みべた褒めのレビューと高い評価点が。

努力の方向が間違っている。

そう思います。この店のランチの客単価は、1000~1500円。割引いた10%分=100円を、材料費にまわし、食パンを1ランク上のものにすれば、どれだけ美味しくなることか。どれだけ、リピート客が増えることか。

もともと、クチコミは制御できないもの。いや、制御してはいけないものです。制御は「不正」につながりがち。このカフェの行為も、Googleでは規約違反です。もし、こういった「不正」が、利用客に知れ渡れば、評判はがた落ちになる。リスクも大きいのです。

アルゴリズムを推測するという「努力」

今回の裁判で、

「チェーン店の評価を一律に下げるアルゴリズムが導入されたのではないか」

と推測したのは、原告(店側)の韓流村でした。

食べログ評価に見切りをつけるとき
株式会社韓流村プレスリリースより(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

相当の努力がうかがえます。問題発生以前から、食べログの評価点を記録し、自社と競合他社の比較分析に多くの時間をかけていたことでしょう。しかし、その努力を、商品開発やサービスに充てれば、どれだけ顧客満足度が向上するか。

消費者は賢いです。グルメサイトなどの評価点は、あまり参考にせず、「宣伝」の一種と、認識を変えつつあります。こういった評価に、見切りをつけるには良い時期ではないでしょうか。

努力は、本業の商品やサービスに注いでほしい、と思います。

文・関谷 信之

【注釈】
※1 送客手数料 ディナーの場合 ランチの場合100円
※2 点数・ランキングについて[食べログ]
※3 飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書(公正取引委員会)

文・関谷 信之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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