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モダンかつ洗練されたスタイリングが多くのライダーを魅了
短命に終わったCB400FOUR“ヨンフォア”
モダンかつ洗練されたスタイリングが多くのライダーを魅了
CB750FOURにおいて世界に先駆けて量産車で4ストローク4気筒エンジンの搭載を実現したホンダは、CB500FOUR、CB350FOURと、他の排気量でも4気筒モデルを次々に開発。
しかし、当時の400cc以下のモデルでは、よりコストが低く、パワーを得やすい2ストロークエンジンが主流となっており、CB750FOURと同じ4本マフラーをあえて再現したCB350FOURは車重も重く、動力性能の面でもライバルの後塵を拝することとなった。
そこで、ホンダがCB350FOURの後継として開発したのがCB400FOURである。
装飾を廃したシンプルなデザイン&カラーリング、性能とスタイリングを両立した集合マフラー、低く構えたハンドルと、それまでの「静的」イメージを払拭し、メーカー純正カフェレーサーとも言うべきスタイリングは瞬く間に多くのファンを虜にした。
エンジンはCB350FOURベースとなるが、ボアを51㎜として排気量を408㏄に拡大。さらにクランクケースも強度アップが図られており、耐久性向上も見据えられた。
短命に終わったCB400FOUR“ヨンフォア”
スーパースポーツとして鮮烈なデビューを飾ったCB400FOURであったが、生産されたのはたったの3年間だった。その理由はデビュー時の時代背景によるものが大きい。
印象的でスタイリッシュな販売カタログの「おぉ400。お前は風だ」というコピーは当時大きな社会問題になっていた暴走族を連想させるため、変更を余儀なくされてしまったのだ。奇しくもCB400FOURのスポーティなイメージが悪とされてしまった側面があったのである。
また、75年に新設された中型免許も向かい風となる。
排気量408ccのCB400FOURは、中型免許で運転することができないという判断から、2型ではエンジンのボアダウンが行われ、排気量が398ccに変更されることになったのだ。
時代は国内二輪史が創世記から成熟期へと差し掛かる最中、社会情勢に翻弄されたモデルとなったのである。