■土蔵から土蔵へ。巡るたびに酒と食の楽しみが続々
向蔵ビール工房のあとは、レストランや売店、史料館など敷地内を順番に案内してもらった。レストラン「福生のビール小屋」屋外席は、酒蔵で利用されていた樽のふたがテーブルに利用されている。テラス席やカウンター席もあって、開放感がある。ここでは、石川酒造のコンセプトである「華やかな食卓を、陰でささえる酒造り」の世界を食事とともに堪能できる。
多摩の恵のペールエールとTOKYO BLUESのシングルホップウィートを自慢のピザとともに合わせた。多摩の恵のペールエールは、生タイプなので新鮮な味わいがいただける。食事の味を邪魔しない心地よさがある。一方、TOKYO BLUESのシングルホップウィートは、ホップを贅沢に使ったことが分かる豊かたな香りと苦味で、ふわっとしたまろやかさがある。2つを飲み比べてみるのもいいだろう。
「桜海老と酒粕クリームチーズのピッツァ」は、ペールエールとの相性がぴったり。酒粕クリームチーズのさっぱりしたコクが桜海老の香ばしい風味を引き立てる。晴れていれば、テラス席でのビール体験は最高の幸せがやってくる。ちなみに、ここは福生なので、上空をたびたび横田基地の飛行機が低空飛行する轟音が響く。これも石川酒造を訪れる際の名物の1つだ。
レストラン福生のビール小屋のテラスの向いには、明治時代に使われていたビール釜が見学できる。この奥には井戸があり、その周りにベンチもあるので、ここで直売店からビールやソフトドリンクを購入して楽しむこともできる。
福生のビール小屋の隣には、雑蔵があり、2Fは史料館になっている。江戸時代からの石川酒造の歴史や日本酒・ビール醸造に関する貴重な資料が展示されている。ここも入場無料。
直売店「酒世羅」では、石川酒造で造られている日本酒やビール、オリジナルグッズが購入できる。多摩の恵が揃う酒販店は少ないため、ぜひとも自宅用に。酒のつまみやサイダー、お土産の品を買って帰るのにもおすすめ。
現在は、コロナ対策で見学コースは休止中だが、毎月第4土日祝は感謝デーでは蔵見学などのイベントが実施されている。より満喫したいなら、こちらを利用してみるのもおすすめ。
石川酒造の敷地内は、ビールや日本酒の世界を知るだけでなく、江戸時代からの建物や樹齢700年や400年の立派なケヤキや井戸、ビール釜なども散策できる。入場料がいらないのがお得なくらい盛りだくさんの、まさに酒飲みのテーマパークだった。
・石川酒造
住所:東京都福生市熊川1
TEL:042-553-0100
営業時間:平日8:30〜17:30
・福生のビール小屋
TEL:042-553-0171
営業時間:11:30〜21:30(LO20:30)
定休日:火曜(2022年6月20日より月・火定休)
・直売店 酒世羅
TEL:042-530-5792
営業時間:10:00〜18:00
定休日:火曜(12月をのぞく)
取材・文:岡本のぞみ(verb) 撮影:木村雅章
提供元・男の隠れ家デジタル
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