四方が海に囲まれた自然世界遺産の一つ、小笠原諸島。
内地(島民用語で本土を指す)から小笠原まで約1,000km、日本の秘境であるこの場所には、虜になってしまう夢のような時間が待っています。今回は小笠原を訪れたら必ず体験してほしいホエールウォッチング、ドルフィンスイムツアーの体験を紹介します。
目次
小笠原について
ホエールウォッチング&ドルフィンスイムツアー
小笠原について
小笠原までの交通機関は船のみ。基本は6日に1度の定期便で所要時間は24時間かかります(1隻の船が東京・竹芝~父島間を毎週往復しています)。
小笠原諸島を、英語では「ボニン・アイランズ」と呼びます。昔は、「無人の島(ぶにんのしま)」と呼ばれ、欧米移住者によりBuninからBoninに発音を変え、そう呼ばれるようになりました。

<中山峠からの小湊海岸>
綺麗な海を求め訪れる人が多いと思いますが、小笠原のビーチは徒歩ですぐの所に珊瑚が数多く群生していたり、周辺の海が深いので、白浜に反射したエメラルドグリーンの色ではありません。しかし、小笠原の海は「ボニンブルー」と呼ばれる、たくさんの海を見た人でも心を奪われるような、深く濃い青色をしています。

<境浦海岸 海の中に沈船があります>
この海には、多くの生き物が暮らしています。小笠原では野生海洋生物に出会えるアクティビティーがあるんです。
ホエールウォッチング&ドルフィンスイムツアー

<ザトウクジラのグループ>
まずはホエールウォッチングです。
12~5月初旬の間は、繁殖や子育てのため小笠原で一定期間を過ごすザトウクジラが観察できます。子クジラが旅をできるくらいに成長したらロシア方面へ戻ります。
<ザトウクジラのヘッドスラップ>
今回は、母クジラが子クジラを頭上に乗せ、あやすというレアな場面に遭遇しました。子クジラは白いお腹を海面に見せ遊んでおり、その自然な姿に感動しました。
小笠原では、丘の上(ウェザーステーション等のポイント)からも遠くにクジラを見つけることができます。しかしツアーの場合、間近でクジラの潮吹きや跳ねる波音が聞こえるので迫力が全く違います。一緒に同じ空間の中にいるような体験を味わえます。
<ミナミハンドウイルカとのドルフィンスイム >
次に、ドルフィンスイムを紹介します。
その名の通り、イルカと一緒に泳ぐアクティビティですが、対象が生き物なので常に動いています。船頭さんが海へ入る合図をくれたら、チャンスを逃さず、すぐ海へ飛び込みましょう。
筆者はドルフィンスイム初体験でしたが、体験後の数日間は興奮が冷めやらぬままでした。ツアーに参加した3-4月はウェットスーツ着用でも、水温が若干肌寒く感じるのですが、イルカに遭遇した瞬間、アドレナリンが放出されるので、参加者達は寒さを忘れ、気づけば夢中で泳いでました。
小笠原では主に「ミナミハンドウイルカ」と「ハシナガイルカ」の2種類に出会えます。前者は一緒に泳いでくれるフレンドリーさん、後者は船の先端に発生する波で波乗りしたり、ジャンプしたり、群れでいることを好むタイプで、多い時は100匹以上に遭遇できると伺いました。
Play Video <ハシナガイルカの波乗り べた凪ですが曇りの為、雲が水面に映っています>
野生生物が相手なので毎回状況が異なります。何十頭もの群れが寝ながら泳いでたり、イルカ同士がじゃれあってごちゃごちゃになったり(これをイルカ玉と言います)、2種類のイルカが同じ場所で泳いでたり、近くに寄って遊んでくれたり...。毎回違うからこそ、次はどんな姿を見せてくれるのか期待に胸が膨らみます。滞在中に何度か参加するのも良いかもしれませんね。

<父島周辺の透明感ある海 >
イルカ・クジラはかなりの確率で遭遇できると思います(遭遇率90-95%前後)。筆者は4回参加し、全てのツアーでイルカ・クジラに出会え、そのうちの1日は、べた凪(海面が鏡のようになる波がない状態)の中、合計80頭くらいのイルカに遭遇するという夢のような経験をしました。

<ツアーでのシュノーケルスポット 海浜公園>
ツアー内容は会社や時期・天候により異なりますが、シュノーケルスポットで泳いだり、南島訪問を含む内容もあります。ツアー中、マンタやカメ、カツオドリやアホウドリなど色々な生物に出会える場合もあり、小笠原の自然を十分に堪能できます。