釣りのついでに食べたいグルメとして、かつて武蔵国と呼ばれた地域に伝わる『武蔵野うどん』を紹介したい。そして、このうどんが食べられるのが、関東屈指の人気ヘラ釣り場「ビン沼」があるエリア。ビン沼の釣り場紹介とともにどうぞ。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュースAPC・若松恵治)

武蔵野うどん

『武蔵野うどん』は、かつて武蔵国と呼ばれた地域に伝わるうどんのこと。

多摩地域から埼玉県入間郡にまたがる武蔵野台地は、関東ローム層に覆われた浸水量が降雨量を上回る地域。そのため米よりも小麦の生産が盛んだったことから、うどんをよく食べる文化が広がった。

旧家では現在でも冠婚葬祭などにうどんを食べる風習が一部残っている。また各家庭でうどんを打つ習慣もあり、うどんが打てなければ嫁に行けないとまで言われる地域もあったという。

武蔵野うどんの麺は一般的なうどんよりも太くてコシがかなり強く、食感は力強くゴツゴツしているのが特徴。自家製麺を提供している店が多く、店舗によっては仕込みや打つ作業をガラス越しに見ることができる。

食べ方はざるなどに盛って、温かいつけ汁につけて食べるスタイルが一般的。つけ汁はかつおだしを主とした強い味で甘みがあり、豚肉・シイタケ・ネギなどを具として混ぜたものが現在は主流。

関東屈指の人気釣り場『ビン沼』

そんな武蔵野うどんが食されている地域に位置し、関東屈指の人気釣り場といえばご存じ『ビン沼』。埼玉県さいたま市と富士見市の境を流れる荒川旧川の一級河川で、正式名称「びん沼川」。

上流の三本木橋から、荒川と繋がる南畑排水機場までの約3km。定期放流で魚影はとても濃く、盛期では平日でも1000人ほどが並び、土日祝ともなれば、それ以上の釣り人で賑わう。

人気の理由は魚影の濃さと、8~9寸級から尺上、さらに40cm超まで釣れることだろう。ほぼ全域が護岸されているので、釣り台があれば手軽に入釣可能。