断定口調は人を救う
断定口調は、自信を持てない人を救います。「こういう事を考えているけど、本当に正しいのだろうか?もしかして間違ってはいないだろうか?」そういう不安を持っている人は少なくないでしょう。しかし、そこへきて自分がぼんやりと抱えている意見や考え方を、全力で肯定する発信者がいたら、その人は救われるわけです。「良かった!自分の考えは間違っていなかったのだ」と。
これは買い物でもそうですよね。服屋さんにいって、買う服を迷っている時に店員さんから「Aもこういう点でいいですね。Bもああいう点で素晴らしい。結論としてどちらでもいいと思います」なんて言われても、決められないですよね。「AもBもそれぞれメリットがありますが、お客様の場合はこういう理由でAがいいと私は思いますよ」と言ってくれることで、背中を教えてもらい気持ちよく買い物が出来るわけです。
もちろん、押しつけはよくありませんが、「色々あるけど、自分はこう思う!」と意見は主張しても許される国にいるのですから、そこはハッキリと意見としては伝えていいのです。
この事を実践している事例をお話します。
私は英語教育のビジネスを手がけています。英語の学習法をブログで発信しているのですが、徹底的に「英語力をつけたければ英会話はやめて、英文を読みなさい」と推奨しています。これは世の中に数多ある英会話スクールや、語学留学と真っ向から対立する意見です。
Yahooニュースに何度もこの主張を掲載した時にも、再三批判をもらったこともあります。が、そんな事を気にしていては「英語多読で実力をつける」という私の主張を信じ、ついてきてくれている方を迷わせてしまいます。主張するからにはぶれてはいけないのです。
人は「これいいよ」と言われてその時は納得して受け取ったものも、時間が経過するに連れて自信を失っていくものです。「あの時はいいなと思ったけど、本当に大丈夫かな?」と。その揺れている気持ちに断定口調での意見は自信を与えてくれます。
英語ビジネスの方では、多くの方が私の提唱する英語多読を信じて取り組んでくれています。それは私が一環して「英会話じゃなくて、英文を読もう!」という意見をズバリ言い切る形で主張を続けているからです。
どっちつかずの中途半端な意見では誰も救われないのです。
文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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