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ウロコに刻まれたナノレベル流路が水滴を捕まえている

ウロコに刻まれたナノレベル流路が水滴を捕まえている

ガラガラヘビのウロコには「ナノレベルの溝」が刻まれていて、水を貯めるコップの役割があった!?
(画像=(左)ニシダイヤガラガラヘビ , (中)(右)同地域に生息する他のヘビ / Credit:American Chemical Society,『ナゾロジー』より 引用)

ニシダイヤガラガラヘビのウロコを走査型電子顕微鏡で観察すると、ウロコに刻まれたナノチャネルを発見できます。

ナノチャネルとはナノレベルの溝のことであり、ニシダイヤガラガラヘビのウロコには、このナノチャネルが迷路のように張り巡らされているのです。

ガラガラヘビのウロコには「ナノレベルの溝」が刻まれていて、水を貯めるコップの役割があった!?
(画像=水分の蒸発映像。ナノチャネルに水分が浸透している様子が観察できる / Credit:American Chemical Society,『ナゾロジー』より 引用)

これはガラガラヘビ特有の構造であり、同じ地域に生息するヘビたちにはこのナノチャネルがありません。

ニシダイヤガラガラヘビは、ウロコに刻まれたナノチャネルが水滴をその場所に留めていたのです。

落ちてきた水滴がナノチャネルの溝に浸透することで、粘着性と疎水性を生み出し、水分をまとめ、流れ落ちないようになっています。

実際、最近の研究で撮影された映像では、他のヘビの上に落ちた水滴はすぐに流れ落ちるのに対し、ガラガラヘビのナノチャネルウロコに落ちた水滴はその場に保持される様子が確認できます。

ガラガラヘビは尻尾で敵を威嚇し、ウロコで飲み水を集めます。身体全体が生きていくための装備だったのです。


参考文献

American Chemical Society


提供元・ナゾロジー

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