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失業保険の不正受給はバレるの? バレた場合のペナルティは?
再就職手当はフリーランスも受給できる!
失業保険の不正受給はバレるの? バレた場合のペナルティは?
ここまでの内容から、「フリーランスになったことを隠してもハロワにバレないんじゃない?」「仮にバレた場合はどんなペナルティがあるんだろう……」と気になった方もいるハズ。
ここでは、不正受給に関連した内容を確認していきます。
失業保険の不正受給はなぜバレるのか
ハローワークを管轄する厚生労働省は、「不正受給をした場合は必ず発見されます(原文ママ)」と強い口調で警告を発しています。
具体的には以下の手法で不正受給を発見していると宣言しています。
- コンピュータによる発見
- 事業所調査や家庭訪問などによる発見
- 関係官庁との連携による発見
- 投書や電話などの通報による発見
幸い、筆者の周りで基本手当の不正受給をしている人の話は聞いたことがないものの、ネット上で「不正受給がバレるケース」として言及が多いのは、「受給者が無断で雇用保険に入ったことがバレた(=就職したことを意味する)」「不正受給を知った人がハローワークに通報した」の2点です。
失業保険の不正受給がバレると「3倍返し」
不正受給がバレた場合、悪質度に応じて以下5点のペナルティが発生します。
- 支給停止:
不正発覚後の支給がストップされる - 返還命令:
受給金額の全額返還 - 納付命令:
受給金額の2倍を納付(返還命令と合わせて、受給額の3倍の納付が必要に) - 滞納金の発生:
不正発覚翌日から、年率5%の滞納金が発生(支払いが滞ると財産の差し押さえも) - 刑事告発:
詐欺罪などによる逮捕の可能性
制度の勘違いから不正受給になってしまった場合はともかく、意図的な不正受給を行った場合は「3倍返し」になると覚えておくといいでしょう。
再就職手当はフリーランスも受給できる!
会社員からフリーランスになる場合、基本的に失業保険(基本手当)をもらえないことはご理解いただけたと思います。しかし、基本手当はもらえなくても、再就職手当はもらえる可能性があるのです。
以下では再就職手当についても解説していきます。
再就職手当とは?
再就職手当とは、失業保険の受給期間中に受給者の早期再就職を促すための制度。受給者が「安定した職業」に就いた場合、残りの受給金額の一定割合の金額を受け取ることができます。「就職お祝い金」のようなイメージですね。
再就職手当は、早くに再就職すると金額が多くなります。基本手当の給付日数の3分の1以上が残っていると残日数分の合計支給額の60%、3分の2以上残っていると70%が支給されます。
なお、ここでいう「安定した職業」には、フリーランスとしての独立や創業なども含まれます。
再就職手当受給の条件
会社を退職してフリーランスになる際、再就職手当を受け取るためには下記の条件を満たす必要があります。
- 基本手当の受給条件を満たしている
- 7日の待機期間を経て、そこから最低1か月後に開業届を出す(リストラなどの場合は7日が経過すればOK)
- 基本手当の支給日数が3分の1以上残っている
- 1年以上事業を継続できる見込みがある
- 過去3年以内に再就職手当を受けとっていない
- 独立を前提に退職していない
注意すべき点は「開業届を出す時期」「1年以上働く見込みの証明」の2点です。
待機期間中は失業の事実を判断する期間で、その後の1か月間の就業はハローワーク経由のものに限定されるため(自己都合退職の場合)、この期間に開業届を出すと再就職手当どころか基本手当の受給資格も失うおそれがあります。
1年以上の勤務を証明する方法ですが、1年以上の長期契約を前提としたクライアントとの契約を結べれば、それが証明として活用できます。ただ、開業していきなり長期契約を結ぶのは現実的ではないため、ハローワークに相談してみましょう。
実態としては、領収書や業務委託契約書などを見せることで、事業の実態や継続見込みを判断されるケースが多いようです。
再就職手当受給までの流れ
再就職手当を受給するためには、それなりの工程と期間を必要とします。以下では再就職手当を受給するまでの流れ(自己都合退職の場合)を簡単にまとめてみました。
- 会社から送付される離職票を入手
- 離職票を持参してハローワークへ向かい、求職申込と離職票を提出(基本手当の受給資格入手)
- 7日間待機
- ハローワークで雇用保険説明会、職業講習会などを受講
- ハローワークで初回の失業認定を受ける
- 求職活動の実施
- 開業届の提出
- ハローワークで再就職手当の申請
- 審査が下りれば受給
上記の手続きにはハローワークへ直接訪問して行うものも多く、初回の失業認定を受けるまでに約1か月、再就職手当の給付までには申請から最低でも1か月はかかるといわれています。