マグロは変温とは言い切れない
変温性の動物の代表例としてマグロが良く取り上げられます。
マグロは他のサカナとは異なった血管配置をしており、泳ぐことで生まれた熱が外に逃げにくいようになっています。
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(画像=マグロの身はほんのり温かい(提供:サカナ研究所 近藤俊)、『TSURINEWS』より 引用)
そのため、寒い海で釣れたマグロをその場で捌くと、「ほんのり温かい」というのが漁師の中では有名な話で、マグロは変温動物でありながらも、外気温よりも高い体温を維持することが出来るサカナなのです。
テレビでよく見る、大間のような冷たい海でも活発に泳げるのは、この機能が体に備わっているからなのでしょう。
体温が高い動物は速く、たくさん泳ぐ
ではなぜ、高い体温を維持していた方が良いのか。それは、速く・長く泳ぐためだと考えられています。一般に筋肉は体温が高い方が良く収縮し、素早く動かすことが出来ると言われています。
マグロはよくご存じのとおり、身のほとんどが赤身であるため酸素効率がよく、他のサカナよりも長い距離を泳ぐことが出来ます。
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(画像=身のほとんどが赤身(提供:サカナ研究所 近藤俊)、『TSURINEWS』より 引用)
回遊するサカナは他にもイワシやサンマなどがいますが、回遊するエリアは近海であり、マグロのようにすべての海が海遊エリアというわけではありません。
なお、マグロは他のサカナに比べて速く泳ぐイメージはあるものの、具体的にはどれくらい早いのかは最近まではわかっていませんでした。
しかし、近年に研究で、マグロは他の回遊魚に比べて3倍近いスピードで回遊することがわかっています。さらに、速いスピードで泳げるサカナほど、より遠い距離を泳げる傾向にあるようです。