ちょっとへんな「高収入ほど子どもの数が多い」
都道府県別年間収入ランキングで見ますと
トップランカー
ワーストランカー
ということになります。出生率のランキングは
ベストテン
ワーストテン
収入が低い7県のうち、6県が出生率のベスト10に入ります。
収入が多い県10県のうち3県が出生率ワースト10に入ります。
特に東京は収入が1位で出生率はビリ
神奈川は収入が2位で出生率43位
千葉は収入9位で出生率40位
で、とても高収入ほど子どもの数が多いとは見えません・・・・・。
収入低くて子どもも少ないのは北海道だけです。
実は九州地方での出生率が高いのはいろいろな論文が出ていまして、人口学的な要因として、「男性の未婚率が低いこと」および「20~30歳代の出生力の高さ」 があるといわれていますが、わたしはそれもそうだが、大学進学率によるものという説を唱えています。
こちらが進学率ワーストですが、出生率の高い沖縄、鹿児島、佐賀、宮崎がはいります。40位以上を見ますと
ほぼ出生率の高い県が入ります。
大学進学率の一番高いのは東京です。つまり大学まで進学させる地域では一人を育てるのに2000万円とも言われていて子どもをたくさん持てない。というのが原因なのではないかと思うわけです。だからこそ少子化対策には国公立大学の学費の無償化が有効なわけです。
どうして男性は高収入ほど子どもの数が多いになったのか
これなのですが、おそらく
母数が既婚男性ではなく男性全体の総数なのでは?
と思うわけです。
いままで延べてきたように、そもそも高収入ほど既婚率が上がるのは明白で、貧困ほど下がる。20~30代では600~800万の収入なら既婚率35.1%なのに、100万未満なら1.3%です。
母数を「男性総数」にしてしまうと、貧困ほど独身が多くなるので子どもの総数が少なくなり、それを全員で割る訳なので平均値が非常に少なくなる。
こういうケースでは母数を既婚男性にしないと、年収が高いほど子どもが多いという結論に当然なります。たぶんそうだと思うんですが、いかがでしょうか。
論文のグラフには
左は40代時点での学歴別に見た子供の数に該当する割合(横軸は子供の数)、右は学歴別に見た出生年代別の40代時点での合計出生率の推移を示す。
とありまして、既婚者に限っていないように見えます。
わたしの考察があたっているか不明ですが、仮にそうならマスコミでは「高収入家庭ほど子どもが多くなる」と、独身を含めたようには報道されておらず、ミスリードの感じが拭えません・・・・。
■
わたしと音喜多君、立憲の中谷さん、自民の藤末さんの新刊「日本沈没を食い止めろ!」がでました。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年6月9日の記事より転載させていただきました。
文・永江 一石/供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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