他の原発も続けば
1基でおよそ0.3%ですから、雑に計算してもあと9基ほど他の原発も再稼働が進めば3%程度の上乗せとなり、見える風景がかなり違うでしょう。
この夏には間に合いませんが、半年先の冬ならばまだ対応できる可能性はあるのはないでしょうか。
時代を切りひらくのはいつも美浜
同社ウェブサイトから美浜原発を説明するページを訪ねると次のような説明があります。
原子力の時代を切り拓いたパイオニアとして美浜発電所は当社初の原子力発電所、日本初の加圧水型軽水炉(PWR)として、昭和45年の大阪万博博覧会に「原子の灯」をともし、原子力の時代を切り拓きました。
大阪万博博覧会の会場に原子の灯をともした
美浜発電所の3基あるプラントのうち、1、2号機は平成27年4月をもってその役割を終え、国内のPWRで初めて、廃止措置という新たなステージへの一歩を踏み出し
美浜発電所3号機は、原子力規制委員会によって新規制基準への適合性が確認され、平成28年11月に40年超の運転期間延長の認可をいただきました。
そして今回もまた、美浜原子力発電所は大きな意義を持つ原発再稼働の前倒しを実行します。「大きな意義」と捉える理由ですが、その行為は「0.3%の上乗せ」という現実の効果に加え、他事業者の原子力発電所も再稼働促進に向けた一歩を踏み出すための精神的な“エネルギー”や動機になり得るからです。
ところで美浜発電所を説明するページの冒頭には、次のような所信表明がありました。
「パイオニアとしての誇りを胸にさらなる高みへの挑戦を続けていく」美浜発電所長 高畑勇人
原子力発電に反対する国内世論もあるので、特段の後ろ盾なく事業者自身が原発再稼働をすすめることは、逆風を真正面から受けることになりかねません。従って再稼働前倒しの決断と実行には“エネルギー”と勇気が必要だったことと思います。
もちろん、今回の再稼働がどのような意味を持つことになるのかは、実際に稼働が始まってからでなくては判断できません。しかし勇気ある決断を下した高畑勇人美浜発電所長をはじめとする美浜原発所員諸氏の「誇り」と「挑戦を続けていく」その心意気に深く敬意を表します。
文・田村 和広
文・田村 和広/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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