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気分障害の症状と連動する「マインドコントロールチップ」
共感力や集中能力の改善も

脳にAIを埋め込んで「気分を変える」実験が行われる(米研究)
(画像=『ナゾロジー』より引用)

米軍が人の脳にAIチップを埋め込み、人間の脳の気分を変えてしまうチップを開発しました。人の頭蓋骨の内側に移植されたマイクロチップが電気パルスを放射し、脳の化学的性質を変更するとのこと。

ただ早速「マインドコントロールチップ」と呼ばれるなど倫理的問題も指摘されており、大きな議論を引き起こすことになりそうです。

AI-controlled brain implants for mood disorders tested in people – nature

気分障害の症状と連動する「マインドコントロールチップ」

米国防総省の支部で、軍の新技術を開発している国防高等研究計画局(DARPA)の科学者たちは、人間を対象に、気分を変更できるAI脳インプラントの実験を開始しました。

これらの「マインドコントロール」チップは電気パルスを放射し、「深部脳刺激」と呼ばれる過程において、脳の化学的性質を変化させます。もし成功することが証明されれば、この装置は多くの精神的健康状態の治療や治療への反応の改善を確実にするでしょう。

このチップは、気分障害と関連した活動パターンを検出できる人工知能アルゴリズムが組み込まれています。パターンが一度検出されると、AIが患者の脳にショックを与えて、健康な状態に自動的に戻すことができるのです。専門家は、このチップがパーキンソン病から慢性的な抑うつ症まで、広範囲の病気の患者に有益であり得ると信じています。

カリフォルニア大学の神経科学者エドワード・チャンは、科学誌「ネイチャー」にこう語っています。

「私たちは、現状の科学技術における数々の限界に気付いています。この技術の刺激的なことは、病気が再発した時に何が起こっているのかわかる窓口を、人間の脳に初めてつくろうとしているということです。」