カナダの製糖会社Lanticがイスラエルの新興企業DouxMatokと協力して、砂糖の量が30~50%少ないサトウキビベースの甘味料を作成すると発表しました。

DouxMatokでは以前から低糖砂糖の研究を続けていました。そして新たな人工甘味物質を作るのではなく、砂糖の粒子形状を工夫することで、同じ甘さを保ちつつ砂糖の量を削減することに成功。

これによって味も風味も変わらない低糖質食品を作れるようになったのです。

目次
甘みを感じる仕組みと従来の人工甘味料

甘みを感じる仕組みと従来の人工甘味料

まったく新しい人工甘味料が作成される「砂糖を50%カット可能」
(画像=物質が味蕾に触れると、味が脳に伝わる / Credit:脳科学辞典,『ナゾロジー』より 引用)

人は舌に味蕾(みらい)と呼ばれる小さな器官をもっており、約10,000個の味蕾によって食べ物の味を感じていると言われています。

この味蕾には物質を検出して脳に味を伝える味覚受容体が複数存在しており、それぞれに役割があります。

まったく新しい人工甘味料が作成される「砂糖を50%カット可能」
(画像=甘味受容体は甘味物質を「甘味信号」に変換する / Credit:日本うま味調味料協会,『ナゾロジー』より 引用)

例えば甘味受容体は甘味物質に反応して脳に「甘味」を伝えてくれます。

この甘味物質は砂糖をはじめとする糖類だけでなく、多種多様です。それらはすべて「甘い」と感じさせるものの、性質が大きく異なっているのです。

糖類は一般的な甘味物質ですが、エネルギー源として身体に吸収されるため摂取しすぎると肥満の原因となります。

一方、人工甘味料は人為的に作り出した甘味物質です。少量でも高い甘味度をもっていたり、甘味を与えつつもほとんど糖質を含んでいなかったりします。そのため砂糖の代替品として「糖質オフ」「糖類ゼロ」食品に利用されるのです。

しかし、「人工甘味料が体に与える影響」が度々議論されてきました。人工甘味料を摂取しないと決めている人もいるでしょう。