アメリカ・テキサス大学オースティン校の材料科学者グイウワ・ユウ氏ら研究チームが10月1日付けの科学誌『ACS Materials Letters』で発表した研究は、現在世界が抱えている干ばつや砂漠化の問題を解決するかもしれません。

彼らが開発した新しい土壌には超吸湿性ゲルが含まれており、空気中から水分を吸収できます。そのため水供給の少ない乾燥地域でも植物を育てられるのです。

目次 超吸湿性ゲルの研究
空気中から水を吸収するゲル土壌を開発

超吸湿性ゲルの研究

今回のユウ氏らの新しい成果は、2年以上前から続く研究の応用になります。

彼らはもともと大量の水分を保持できるスーパースポンジの開発に取り組んでいました。

実際、2019年1月には大気から水分を収集して淡水を生成する「超吸湿性ゲル」の開発に成功。この材料は「高い吸水性」と「加熱で水を放出する性質」の両方を備えています。

そのため野外に放置するだけで水を集めゲル内に保持し、日光にさらすことで集めた水を簡単に放出できるのです。

当時の研究では、ゲル1キロあたり最大50リットルの水を毎日生産できると報告されており、清潔な水供給の手段として注目されてきました。