また一つのブラックボックスがコード化された
今年にはいってから「基本動作(Willett,Cell,2020)」「感情(Dolensek,Science.2020)」「触覚(Ganzer,Cell,2020)」といった今までブラックボックスとされていた神経活動のコードが次々に解明されてきています。
今回は、動物実験レベルではあるものの、嗅覚のコード化がはじめて成され、同種の間では同じ匂いに対して同じ神経活動パターンが観測されることが判明しました。
もし同じ神経活動パターンが人間の脳でも確認された場合、人間とマウスは文字通り「レモンの香り」の概念を共有していることになります。
そうでなくとも、人間の嗅覚コードをはじめとした五感のコードを全て解明できれば、中で食べたり飲んだりが楽しめる、フルダイブ型のVRの基礎理論となるでしょう。
SF世界は意外と足元まで来ているのかもしれませんね。
研究内容はアメリカ、ハーバード大学のスタン・L・パシュコフスキー氏らによってまとめられ、7月1日に世界で最も権威ある学術雑誌「Nature」に掲載されました。
Structure and flexibility in cortical representations of odour space
提供元・ナゾロジー
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