アマゾンのお茶を飲むと脳細胞が増えて頭が良くなるようです。
9月28日に『Translational Psychiaty』に掲載された論文によれば「アマゾンのお茶」として知られる、植物の汁から作ったペルーの伝統的な飲み物(アヤワスカ)に、脳細胞を増やし頭を良くする効果がみつかったようです。
事実なのか疑いたくなるような話題ではありますが、どうして草の汁に脳細胞を増やして頭を良くする効果があるのでしょうか?
目次
アマゾンのお茶の正体
アヤワスカは脳細胞を増やし頭を良くする
アマゾンのお茶の正体
「アマゾンのお茶」は通称アヤワスカと呼ばれ、精神作用(モノアミン酸化酵素阻害薬)を含んだつる植物カーピの皮と、幻覚成分(ジメチルトリプタミン)を含んだチャクルーナと呼ばれる低木の葉を混合して作られます。
ペルーに住む先住民族たちは、このアヤワスカを古くから儀式に用いるだけでなく、伝統的な医薬品としても用いてきました。
一方で、近年になって伝統的な医薬品に対する科学的な検証が行われるようになり、アヤワスカもその対象となったのです。
すると、アヤワスカには予想以上の効果があることが次々に判明します。
検証において最も注目されたのはうつ病に対する効果でした。
アヤワスカは難治性のうつ病に対して極めて優れた効果を発揮し、7日間の接種で36%の患者が回復に向かったほか、脳の皮質における接続性が増加したことが示されました。
また薬物乱用者に対しても優れた効果を発揮し、心的外傷に対しても有効であることが判明したのです。
ただ治療効果の優れていることが証明されたものの、アヤワスカが脳に対してどのように働くのかは詳しくわかっていませんでした。
そこでスペインの生物医学研究所の研究者たちは、アヤワスカの生理学的な効果を確かめるために、マウスを使った実験を行うことにしたとのこと。その結果は驚きに満ちていました。
アヤワスカは脳細胞を増やし頭を良くする
アヤワスカの効果を試すにあたって、研究者たちは4年もの年月をかけて、アヤワスカから抽出された幻覚成分(ジメチルトリプタン、以下DMT)が生きたマウス及び、マウスの培養細胞に与える影響を調べました。
結果、幻覚成分を注射されたマウスは認知機能が大きく伸び、様々な知能テストに対して優れた成績を収めたことが判明します。
さらに新しい物体に対する興味や探索に要する時間が延長するなど、「好奇心」に分類される能力の向上もみられました。
また原因を探るために研究者たちがマウスの脳を解剖したところ、幻覚成分を注射されたマウスでは海馬をはじめとした脳内において、神経細胞が増加していることが確認できたのです。
この結果は、アヤワスカを摂取した人間において脳内の接続性が増加した事実と関連していると考えられます。
また培養細胞を用いた実験では幻覚成分が脳の幹細胞を刺激し、様々な種類の細胞への分化を促進することが明らかになりました。
幹細胞は、各臓器に供給される細胞の母体として知られていおり、幹細胞の分化能力の向上は、臓器に提供される細胞の全体数を増加させる働きがあります。
このことから研究者たちは、マウスの知性が増加したのは、幻覚剤が幹細胞を刺激し、脳細胞が増えたたためだと結論しました。