「ダイビング器材をほしいけど、種類と機能がありすぎてよくわからない…」。そんなダイバーに向けて、いまさら聞けないスキューバダイビング(以下、ダイビング)器材6種(ダイビングコンピュータ、マスク、シュノーケル、フィン、BC、レギュレーター)の基礎と失敗しない選び方を6回にわたりご紹介していくこの企画。第3回目となる今回は、水中では使わないけど水面で大活躍する「シュノーケル」をピックアップ。今回も、多種多様なメーカーの器材を扱い、日々たくさんのダイバーと接している、ダイビング器材販売店「AQROS渋谷」マネージャーの向山涼子氏にお話しを伺いながらご紹介していく。
目次
1、顔を水に付けたまま呼吸ができる!シュノーケルとは?
▶︎シュノーケルの基本的な機能と名称
2、シュノーケルってどんな種類がある?
▶︎「蛇腹タイプ」
▶︎「ストレートタイプ」
▶︎「ラップアラウンド型」
▶︎「ドライシュノーケル(ドライトップやドライアッパーとも呼ぶ)」
▶︎「排水室・排水弁付き」
1、顔を水に付けたまま呼吸ができる!シュノーケルとは?
▶︎シュノーケルの基本的な機能と名称
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ダイビングで発生する事故の大半が水面で起きているといわれる。水面でシュノーケルやレギュレーターをくわえておらず、謝って海水を飲み溺れてしまうことが原因のひとつだ。溺れるまでいかなくても、海水を飲んでしまうと気持ち悪くなったり、肺に入ると肺炎を起こしたりすることも。
基本的には水面ではレギュレーターをくわえていれば、これらのトラブルを防ぐことができるのだが、ダイビング前でタンクのエアをなるべく消費したくないときやダイビング後でタンクのエア残量が無くなってしまったときには、レギュレーターの代わりにシュノーケルを使用して呼吸を確保する必要がある。特に後者の場合はシュノーケルの有無で、命取りになることも。ダイビングの必需品のひとつとして、携帯することがルールとされている。
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2、シュノーケルってどんな種類がある?
▶︎「蛇腹タイプ」
パイプとマウスピースのつなぎ目が蛇腹になっており、口の位置に合わせてシュノーケルを動かしやすい形状。ダイビングでレギュレーターを加えたときに、シュノーケルのマウスピースが口の前に固定されていると、邪魔になる場合もあるが、蛇腹タイプでシュノーケルの位置を調整できれば、口もとがすっきりする。
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▶︎「ストレートタイプ」
排水弁や排水室のない、シンプルな筒状のシュノーケル。排水弁がないので、トップからしか水が排水できず、シュノーケルクリアをするときは息を強く吐き出す必要がある。しかし、他のタイプと比べて、コンパクトで顔まわりもスッキリし、水の抵抗が最も少ないタイプ。
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▶︎「ラップアラウンド型」
顔の形に沿ってパイプの部分がカーブしていて、水の抵抗を受けにくい形のもの。
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▶︎「ドライシュノーケル(ドライトップやドライアッパーとも呼ぶ)」
シュノーケルの先端が水に浸かるとスプラッシュガード内のフロートが浮き上がり、パイプの入り口に蓋がされることで水の侵入が防がれる仕組み。水しぶきなどにより多少の水が入ることはあるが、ほとんど入って来なくなるのでシュノーケルクリアが苦手な方にもおすすめ。
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▶︎「排水室・排水弁付き」
現在、ダイバーの中で主流となっているのがこのタイプ。マウスピース付近の彎曲部(わんきょくぶ)にシュノーケル内部の水が貯まる排水室や、水を外に排出し外部の水の浸入を防ぐ排水弁がついていて、水を飲んでしまうことが減ったり、軽く息を吹き出すだけで排水弁から簡単に排水できるのがメリット。
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