みなさんこんにちは。
フラッグシップの上野です。
これまではライディングジャケットの種類、作りの違い、選び方などをご紹介してきました。
今回は「レインスーツとレイングローブ」についてご説明したいと思います。
時期的にもレインスーツを使う頻度が増すこの時期、
みなさんはどの様な基準でレインスーツ等をご購入してますか?
レインスーツと一口に言ってもいくつかの仕様の違いがあるんです!
レインスーツの生地にはどのような種類があるのか?
レインスーツに使用する生地には大きく分けて3種類あります。
ビニール製品
単一生地を使った製品で、生地同士熱圧着して形成します。
裏地なしがほとんどです。
分かりやすい例を挙げると、100円均一のポンチョなどがそれですね。
コーティング加工
生地の裏面に合成樹脂(アクリル樹脂やウレタン樹脂・ビニール樹脂など)をベタ塗りし、
生地目を完全に塞ぐ被膜を作ることで水の染み出しを防ぎます。
ラミネート加工
生地とは別に用意したフィルムを生地面にはり合わせることで水の染み出しを防ぎます。
簡単に言うと、コーティングは直接樹脂を塗布して終わるのに対して、
ラミネートは防水フィルムを作った上でそれを接着樹脂ではり合わせる方法です。
難点としては手間と部材だけでも高価になってしまいますので、その分値段も上がります
防水性については、フィルムをはり付けるラミネート加工の方が高くなるそうです。
ちなみにラミネート加工で透湿性を発揮させる場合には、フィルム自体に透湿性がないといけないわけです
そのラミネート加工で最高峰と言われていたのがGOER-TEXやBHA社の開発したeVentでしょうか。
私もそうだったのですが 「GOER-TEXが最強!!」「とにかく良いものなんでしょ!!」
という信者でした(笑)……。
まぁ、それも正解ではありますが……全てではないです。
結局、何を自分が求めるかだと思います。
ラミネート加工のレイヤー構造とは?
ラミネート加工では、2レイヤー(二層構造)と3レイヤー(三層構造)、
その中間的な2.5レイヤー(二.五層構造)が主流です。
レインスーツのタグや紹介文で聞いたことがこともあるかもしれないこの『レイヤー』ですが、
この構造の違いをご存知でしょうか?
単純に言うと
表地に防水透湿素材を貼って2層にしたものです。
基本、裏地メッシュがついてます。
表地に防水透湿素材を貼りそこに裏地を貼って3層にしたものです。
裏地メッシュや生地はなく 一目で三層とわかる仕様が主流です。
2レイヤーの裏(衣類内側)に肌離れをよくするためのラミネートプリントを施したものです。
裏地の代わりにラミネートプリントをするんですね。
レインスーツで重要なシーム加工とメンテナンス
生地やレイヤーの違いはありますが、ここで割と重要なのが縫製部分の処理です。
実はどの生地を使っても縫製した部分はシーム(防水テープ)加工しているのです。
これは前回防水仕様についてお話ししたことがまた出てくるわけですね。
熱圧着しているシームが剥がれたり、コーティング加工にダメージを与えたりすると、
せっかくの防水機能が意味を持たなくなってしまいます。
〝洗濯機で洗えない〟のはそう言う事なんです。
モノによっては生地表面に撥水加工を施しているのでそれも落ちてしまいます。
ですのでレインスーツや防水ジャケットを使った後は
「使用後は布等で乾拭きし、汚れを落としてください」
とあるんです。