高年齢層には効果が低い

インフルエンサーマーケティングとステルスマーケテイングの違いは「告知」です。ツイッターやインスタグラムの場合、コメント欄に「#PR」など広告とわかるハッシュタグ(キーワード)を入れ、告知します。

問題は、広告とわかると「その記事を見ない」人が一定数存在することです。

広告を示すハッシュタグ等があった場合、「一切閲覧しない」層は全体で20.2% 。その比率は、年代が高くなるほど増加し、50歳以上では29.8% に達します)(※4 MUFG調査))。年齢層が高くなるほど、インフルエンサーマーケティングの効果は低下するのです。

高年齢層をターゲットにする場合は、効果減を見込む必要があります。

活用には注意が必要

インフルエンサーマーケティングは、いわば「クチコミ」誘発策とも言えます。

クチコミは制御が難しい。だから「自然」に発生させる。せいぜい「誘発」しやすい仕掛けを作る程度にとどめる。これが従来の手法でした。しかし、昨今「人為的」に制御しようという傾向が強まっています。

企業が、SNS内で「自然」にインフルエンサーと接点を持つのは問題ないでしょう。しかし、「人為的」に制御するのは、自社単独ではかなり困難です。

インフルエンサーマーケティングを導入する場合は、「信頼できる」マーケティング会社に依頼することが前提です。その際

・どのような偽インフルエンサー対策を行っているか
・どのような指標値で効果を測定しているか
・ターゲット層に合ったインフルエンサーを抱えているか

などの説明を求めたうえで、検討いただきたいと思います。

[参考]

※1 327億円
【市場動向調査】2020年のソーシャルメディアマーケティング市場は5,519億円、前年比107%の見通し。2025年には2020年比約2倍、1兆1,171億円規模に。|株式会社サイバー・バズ

※2 1兆円(97億ドル)
The State of Influencer Marketing 2020: Benchmark Report(Influencer Marketing Hub)

※3 「フォロワー数×単価」
単価は2円から4円、というデータがあります
ゼロから学ぶインフルエンサーマーケティング-費用の現実と相場、依頼から分析の流れ(株式会社FindModel)

※4 MUFG調査
口コミサイト・インフルエンサーマーケティングの動向整理(三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MUFG))

文・関谷 信之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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