京都の夏を彩る「祇園祭」の名を聞いたことがある方も多いでしょう。山鉾(やまぼこ)や神輿が、にぎやかな鉦(かね)や太鼓の音とともに巡幸(じゅんこう)するさまは、京都の夏の風物詩といえます。
今回ご紹介する「八坂神社」(やさかじんじゃ)は、そんな祇園祭の発祥となった場所です。そのご利益は厄除けから縁結びまでとっても多彩!
八坂神社の御祭神であり、運命の相手とドラマチックな出会いを経験したスサノヲノミコト、境内の「大国主社」に祀られる縁結びの神様、オオクニヌシノミコトにあやかってみませんか?
目次
1. 八坂神社の歴史・御祭神・ご利益
2. 八坂神社へのアクセス
1. 八坂神社の歴史・御祭神・ご利益
まずは八坂神社の1000年以上の歩みをご紹介します。
1.1 八坂神社の歴史

八坂神社の創祀(そうし※神社の始まり)は1000年以上前にさかのぼります。社伝(しゃでん※神社の歴史を記したもの)には656年(斉明天皇2年)とも、876年(貞観18年)とも記されています。
また、もともとは「祇園社」「祇園感神院」という名称でしたが、明治時代に改名され今に至ります。
「祇園」という名にピンときた方も多いかもしれません。この八坂神社は、先ほどもお伝えした通り京都の3大祭のひとつ、祇園祭のはじまりとされている神社なのです。
また、長い歴史を持つ神社の境内には「七不思議」が隠されています。後ほど紹介します。
1.2 御祭神
八坂神社の御祭神は、素戔鳴命(スサノヲノミコト)、櫛稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)、八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)です。スサノヲノミコトは本殿の中央に祀られるため「中御座」、クシイナダヒメノミコトは東側に祀られるので「東御座」、ヤハシラノミコガミは西側に祀られるので「西御座」とも呼ばれています。
スサノヲノミコトのよく知られるエピソードといえば、「古事記」に記された「ヤマタノオロチ退治」でしょう。やや子供っぽい一面があったスサノヲノミコトが騒動を巻き起こし、神々の住む高天原(タカマノハラ)を追放されてしまいます。
その後、放浪で苦労したスサノヲノミコトは、出雲でヤマタノオロチ(八つの頭を持った大蛇)を退治して人々を救い、大蛇に捕えられていたクシイナダヒメノミコトと結ばれたのです。
1.3 ご利益
さまざまな艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えたスサノヲノミコトをご祭神として祀る八坂神社は、無病息災・厄除け・災難除けなどのご利益があります。また、「茅の輪くぐり」「をけら詣り」などの厄祓い神事も多く行われます。
境内には、縁を司る神様・オオクニヌシノミコトが祀られている大国主社や、美と健康を叶える女神様が祀られている「美御前社」もあり、縁結びや美容のご利益も期待できます。
2. 八坂神社へのアクセス
八坂神社の最寄り駅は阪急京都線の京都河原町駅、または京阪電鉄の祇園四条駅、最寄りのバス停は京都市バス「祇園」停留所です。
2.1 公共交通機関でのアクセス
八坂神社に向かうには、大阪方面からであれば阪急電鉄・京都本線京都河原町駅、または京阪電鉄・京阪本線祇園四条駅を利用するのが便利です。京都河原町駅から八坂神社までは徒歩8分、祇園四条駅からは徒歩5分です。
京都河原町駅または祇園四条駅を利用するなら「降りて山が見える方向に通りを歩けば、突き当りが八坂神社」とおぼえて進めば迷うことはないでしょう。

京都駅からのアクセスもわかりやすいです。京都駅前の2番バス乗り場から乗れば、もれなく八坂神社の目の前の「祇園」バス停に到着します。本数もかなり多く、待つことはほぼありません(京都市バスだけで、「祇園」バス停を経由する路線は10系統以上)。
2.2 車でのアクセス
八坂神社には、専用駐車場が境内南西側の常盤神殿の中にあります。常盤神殿には祇園の街や「東大谷参道」から入れます。
また、神社の北西にある円山公園の地下にも駐車場があり、周辺には小規模のコインパーキングも多数あります。
ただし、近辺の「祇園交差点」や「四条河原町交差点」などは渋滞が激しいことでも知られているため、公共交通機関を使ったほうがスムーズです。