とにかく大風量! 外でも使えるエアコンに
他社のポータブルエアコンとの決定的な違いをもう一つ挙げるとすればそれは「風量」だ。計測したところ、吹き出し口付近の風速が6.9m/s、1mほど離れても2.8m/sと、これだけ見ると以前レビューしたZero Breeze Mark2も負けてはいない。ただ、圧倒的なのが、吹き出す風の面積だ。1mくらいの距離で2.5人分程度を賄える風面積も考慮すると、その差は歴然。電源を入れた瞬間に「これは冷えそうだ」と感じられるほどだった。

付属品には一応吹き出し口用のアタッチメントがあるが、装着しない方が広範囲に冷風を送れるのでむしろそのまま使った方がアウトドアでは使い勝手が良さそうだと感じた。


ドレン排水の心配もなし、実用性は完璧といえるレベル
Waveでは排水の心配が基本要らないというところも実用度を底上げしている。湿度が高すぎる場合を除き、基本的に凝結水は自動蒸発するため、保守作業や日常のメンテナンスも軽減してくれる。地味な部分だが、Zero Breeze Mark2を使っているとき、屋外でも案外この水に悩まされていたのでこの仕様はうれしい。
また、EcoFlow製で揃えていれば、ポータブル電源もエアコンもアプリで一元管理ができるのもありがたい。キャンプ場では近くにいないときもエアコンをつけたままにしてしまうことが多く、結果的にうまく活用できないままバッテリが切れてしまうこともあった。Waveなら、残り稼働時間から本体の設定、ポータブル電源の状態まで画面上で確認・操作ができるので、こうしたことがなくなる。ポータブルといってもそれなりの重量はあるので、設置したら動かさないことが多いエアコン。直接操作しかできないとどうしても管理が行き届かなかったが、Waveならそういったことがなくなりそうだ。

気温と傾斜には注意が必要だが、実用度MAXのポータブルエアコン
ポータブルエアコンという製品の性格上、気をつけなければいけないこともある。Waveは30℃までの気温で使用可能となっているが、直射日光下での使用は推奨していない。また、湿度が高すぎる場合は前述した自動排水機構で賄えなくなるため、満水となり自動シャットダウンする場合がある。湿度が多い場合には排水チューブを接続しての排水が必要な点は留意してほしい。
また、設置傾斜を15度以内にしないといけない点も重要。特にキャンプ場等では水平な場合こそ少なく、何気なく置いても15度以上傾いていることがある。トラブルにつながるので傾斜については特に気をつけた方が良いだろう。
傾斜対策については専用のレッグアクセサリー(足が独立して伸縮し、水平を出せる台座など)の登場を期待したいが、全体的な完成度の高さは素晴らしい。正直、現在の技術ではZero Breezeを超えるポータブルエアコンは出てこないと思っていたので、非常に驚かされた。Waveを使えば猛暑下でもタープの下で快適に過ごせそうだし、メッシュを閉じられる大型タイプのドームなら、開放感ある涼空間を夏場でも作り出せるだろう。
今回は試用にとどめたが、次回、再度実際のキャンプで使ってみた感想や、ソーラーパネルの実用性などをお届けできればと思うので楽しみにしていてほしい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
提供元・BCN+R
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