リトリーブは弾きやすい

「それならリトリーブでも、超スロー巻きで同じようにレンジが探れるんじゃないか?」

そう思う方もいるかもしれない。しかしリトリーブは実はかなり釣り人によって技量が分かれる。リトリーブは難しい。何が難しいかといって、速度によって、レンジが上ずったり逆に下がりすぎたりして、「超スロー巻き」とは言えそれでは丁寧にレンジが見られない。

またアジはフォールに反応する魚である。一度視界に現れたものがどこかに消えて、再び視界に落ちてくる動きに弱い。リトリーブは横でずっと見せる動きで、トゥイッチを入れてもワームがぶれるだけの半端なアクションになる。フォールの動きが演出しにくい。

アジは遊泳力こそ高いが「吸い込み系のバイト」をする魚で、いわばエサを突っつくような食い方をする。この食い方が、リトリーブの、リールの巻き取りの力を使った横移動にはアンマッチなのだ。どうしてもワームの尾をかじるようなバイトが増えてしまう。

簡潔にまとめると、

・リトリーブでレンジを探る釣りそのものが難しい。
・フォールの動きが演出しにくい。
・横追尾のバイトをハリ掛かりさせにくい。

以上の理由で、アジングの一の手は「巻き」ではないのである。

巻きパターンも存在

と、徹底的に巻きの釣りを否定するみたいなことを言ってきたが、アジングには「巻きパターン」もある。特に、真冬のレンジが底ベタの群れ。活性が高い回遊の群れ。またシチュエーション的にどう見てもアミパターンなのに、なぜか巻きにしか反応しないことも。このへんは気分みたいなもの。「止め」でダメなら「巻き」でやってみろ、というか。

今さら聞けないアジングのキホン リトリーブ(巻き)で釣れないワケ
(画像= 巻きパターンのアジ(提供:TSURINEWSライター井上海生)、『TSURINEWS』より 引用)

筆者の印象では、大型のアジはわりと巻きパターンが多いような気がする。そのまんまベイトフィッシュパターンなのかもしれないし、波動に吸い寄せられるのかもしれない。アミパターンの小型の群れの中から、良型を見つけるために巻きを試すのもいいだろう。リトリーブのコツは、速く巻くにしてもゆっくり巻くにしても、リグに違和感が出ないよう、サオ先がブレないようにすることだ。これが意外に難しい。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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提供元・TSURINEWS

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