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それだけじゃない、宮古島の魅力。
大きな橋を渡って伊良部島へドライブ。おいしいランチに出会う。
それだけじゃない、宮古島の魅力。

“何もしないショート・バケーション”を過ごすために訪れた宮古島だが、知的好奇心も満たしたい。旅やライフスタイルを扱うメディアという職業柄、地域産業には当たり前のように興味が湧く。
というわけで酒蔵見学をすることにした。のどかな農村地帯をドライブしながら訪れたのは「多良川酒造」だ。昭和23年に創業して以来、伝統の手技にこだわって泡盛を造り続けている酒造で、天然の洞窟を使った貯蔵庫・ういぴゃーうぷうす蔵の見学に興味があった。
酒造りの工程をビデオで勉強したあと、敷地内にある蔵へと向かう。宮古島の聖地の一つ「ウイピャー森」の近くにあり、その入り口は冒険心をくすぐる佇まい。蔵である洞窟の中へ一歩踏み入れると外の暑さを忘れるほどひんやりとしている。気温と湿度が一定に保たれているため、泡盛の保存に最適なのだという。


中を見学して驚いたのは、数千本と眠る泡盛の壺や瓶の数だ。それぞれの泡盛には木札がかけられ、持ち主の名前とメッセージが書き込まれている。人の秘密を見るようで申し訳ないと思いつつ、目を凝らして見ると旅の記念や子供の健やかな成長を願った気持ちが込められている。
この蔵に貯蔵されている泡盛はすべて、購入したオーナーが人生の節目までここで眠らせて育てる古酒なのだ。
案内をしてくれた平良さんの気さくで話上手なガイドを楽しみながら、代表銘柄の「琉球王朝」を自分への土産に購入した。さらに販売所を見ていて驚いたのが、ラムやイムゲーの醸造もしているということ。


イムゲーとは漢字にすると「芋下」と書き、琉球王国時代に庶民が飲んでいた酒といわれているが、時代の流れの中で忘れ去られてしまったもの。現在、沖縄県内の泡盛酒造所で復活させる動きが活発で、ここ多良川酒造でもそんな“幻の酒”の醸造を行っている。
また、ラム酒の「マクガン」も人気の商品だ。宮古島の水や酵母、サトウキビで造られる、正真正銘“メイドイン宮古島”のクラフト・ラム。どちらもどんな味がするのか興味が湧いた。
多良川酒造

沖縄県宮古島市城辺砂川85
0980-77-4108
大きな橋を渡って伊良部島へドライブ。おいしいランチに出会う。

多良川酒造の帰りに伊良部島をドライブしたくなった。伊良部大橋を渡りのんびり島を一周する途中、カフェ「Coral Island(コーラル アイランド)」に立ち寄る。
気の向くままに楽しんでいる休暇だが、周りはバリバリに働いている平日だ。どうしても返信しなければならない仕事の連絡がある。眺めの良いテラスで注文したメニューが届くまでPCを開き仕事をする。
リモートワークが当たり前になったことで自宅仕事に慣れてはいたが、こうして旅先で仕事をするのも悪くない。遊牧民のように街から街へと渡り歩きながら仕事をする「ノマドワーク」という働き方も良いものだ。今後、機会を作って実践したいと思う瞬間だった。


Coral Island(コーラル アイランド)

沖縄県宮古島市伊良部字伊良部816-1 D-resort 1F
0980-78-3516