目次
ペルソナ設計のコツ3. 見る人の想像力を刺激する言葉を使おう!
ペルソナ設計のコツ4. ペルソナはビジュアルで物語を伝えよう!
ペルソナ設計のコツ3. 見る人の想像力を刺激する言葉を使おう!
ペルソナをつくるとき、その人をひとことで表すキャッチフレーズをつくることがあります。先ほどのサンプルではイメージ写真の上に書いた、「自分らしくシンプルに暮らしたい、バランス型、バリキャリ系」がそれです。
このとき、流行り言葉を使うと共通のイメージを持ちやすく、とても重宝します。ただ、これは使い方によっては、ユーザー像が曖昧になる「危険な言葉」にもなるんです。
「アクティブシニア」という言葉があります。趣味にも仕事にも熱心で、健康意識が高い高齢者をさす言葉ですが、数年前、この言葉がマーケティング分野で大流行したことがあったんです。旅行や洋服、お菓子に住宅まで、あらゆる企画がアクティブシニアの文字で埋め尽くされました。
結果、さまざまな業界がこぞって自社サービスのペルソナを「アクティブシニア」とし、供給過多になり、市場は飽和しました。いくら時間的にも金銭的にも余裕があるユーザー層とはいえ、使えるお金は限られてますよね。
流行り言葉でペルソナをつくるときは、「競争の激しいレッドオーシャンじゃないのか?」という意識を持たなければいけません。
さらにいけないのは、新規性を出そうとして「ニュー・アクティブシニア」のように抽象度が高い言葉をつくってしまうことです。「ニュー」を付けただけでは、いままでと何がどう違うのか、分からないですよね。これでは議論も活発化しないし、企画も通らないでしょう。
「ニュー(New)」「ネオ(Neo)」「ネクスト(Next)」。この3つは、ペルソナづくりのNGワード。使うことで抽象度は上がってしまうし、そこから新たな想像もしづらい言葉なので、使わないほうがいいと思っています。
たとえば、おなじアクティブシニアを表すとしても、「デジタルシニア」や「DXじいちゃん」だったらどうでしょうか? Webショッピングを楽しんだり、SNSで積極的に発信しているなど、いまの時代にあったアクティブシニア像のイメージが湧いてきませんか?
ペルソナづくりで大事なことの3つ目は、「流行り言葉に頼らずに、見るひとの想像力を刺激する言葉を使おう!」です。これを意識するだけで、ぐっとペルソナが良くなるので、ぜひ覚えておいてください。
ペルソナ設計のコツ4. ペルソナはビジュアルで物語を伝えよう!
ユーザーの潜在ニーズに迫る「活きたペルソナ」をつくるには、定量データ(数値化できる情報)と定性データ(数値化できない情報)の両方が必要だと冒頭に述べました。そして、定性データをもとにペルソナに命を吹きこむのが、「ストーリー(物語)」です。
無料で配布されているペルソナシートのフォーマットの多くに、「ストーリー」や「エピソード」という欄があります。ユーザーがどのような人なのか、その解像度を高める為の大事な項目です。でも、ペルソナづくりで一番悩むのがこの項目でしょう。基本情報や行動情報は、アンケートなどの定量情報をもとに書けますが、ストーリーはそうもいきません。
普段、文章を書きなれていない人にとっては、まるで「小説を書きなさい」と言われてるようで、ハードルが高いですよね。だからといってペルソナから「ストーリー」の項目を外してしまうと、履歴書みたいな人間味のないペルソナになってしまいます。
そこで、文章を書くのが苦手な人にお薦めなのが、「ビジュアルでストーリーを伝える」手法です。
服装や部屋のインテリアには趣味嗜好が出るものですが、その人の個性をもっとも感じるのは鞄とその中身でしょう。人目に触れる鞄のなかに、ふだん見せない意外なアイテムが入っていたりするものです。
そんな鞄をペルソナづくりに使わない手はありません。サンプル画像を見ているだけで、ユーザーへの想像力が増してきませんか? 「全体にモノトーン系なのにサイフだけカラフルなのはなんでだろう?」「リンゴを丸ごと、鞄に入れてるの!? 見かけによらずワイルドだね」など、その人をよりリアルに感じる物語が頭に浮かんでくるはずです。
これがビジュアルで語るストーリーの力です。しかもこの手法は、デザイナーでなくても簡単にできるところがポイントです。ユーザーの生活を思い浮かべながら、使っていそうなアイテムを切り貼りするだけなので、誰でも簡単にできます。ペルソナづくりに欠かせない「ユーザー起点で考える」ことを自然にできるのが、この手法のいいところです。
本棚やスマホでよく使うアプリなど、鞄以外にも、その人らしさを表現するアイテムはたくさんあります。企画に合わせて最適なアイテムを選んで、みんなでアイデア出しをしてみてください。言葉だけでなく、ビジュアルを使うとペルソナの議論が盛り上がりますよ!
執筆&イラスト・こげちゃ丸、編集・少年B/提供元・Workship MAGAZINE
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