こんにちは。デザイナーのこげちゃ丸です。
「ペルソナ」という言葉を聞いたことがありますか? もともとはマーケティング用語ですが、最近では新規事業開発や提案型の営業まで、さまざまな場面で目にするようになりました。
ペルソナとは、製品やサービス、コンテンツ開発などの際に想定する「仮想ユーザー」のことです。ユーザー像を突き詰めてリアルに描くことで、ユーザーへの理解を深め、潜在ニーズを探るための手法です。
一般的には、年齢や住所、職業や年収などの「定量データ(数値化できる情報)」と、感情や趣味嗜好につながる「定性情報(数値化できない情報)」を集め、それらを元にペルソナシートを作成します。
ただし、ペルソナをつくる上で陥りがちな失敗もあります。それは、ユーザー像をリアルにしようとするあまり、情報が羅列されただけの「使えないペルソナ」になってしまうこと。
ペルソナで一番大切なことは、自分たちが誰のために開発しているかを、チーム内で共有することです。そうすることで、ユーザーが必要としていることが明確になり、開発の方向性も定まります。情報の密度が高ければいいわけではありません。
今回は、どうすれば「使える」ペルソナが作れるのか? 集めた情報を言語化、見える化するときの注意点を事例と共にご紹介します。
目次
ペルソナ設計のコツ1. イメージを共有できる言葉を使おう!
ペルソナ設計のコツ2. 余白を残して議論を活発化させよう!
ペルソナ設計のコツ1. イメージを共有できる言葉を使おう!
いつも周りを笑顔にして、その場の雰囲気を明るくする人を「太陽みたいな人」と表現することがあります。太陽より明るい恒星もありますが、「彼はピストル・スター(※)みたいだね」とは、決して言いませんよね。
(※ピストル・スター:太陽の500倍明るいとされている恒星)
いくら仮想ユーザーを的確に表現できるからといって、誰も知らない言葉でペルソナをつくっては意味がありません。自分がイメージしやすいからといって「このペルソナのモデルは、友だちのAさんです」と言っても、相手には伝わらないのと一緒です。
ペルソナは、自分たちのサービスや製品の方向性を議論するためにつくるもの。そして議論を活発化するためには、プロジェクト内でイメージを共有できる、みんなが知っている言葉を使わなくてはいけません。
ペルソナ設計のコツ2. 余白を残して議論を活発化させよう!
もうひとつ大事なことは、ペルソナに余白を残しておくことです。
上の例のように、はじめからガチガチに言葉を置いてしまうと、ユーザー像が固まってしまい、議論の余地がありません。
ペルソナはなるべく詳細に情報を記述すべし!という意見もありますが、やりすぎは逆効果です。最初は箇条書きで構いません。むしろ、そのくらいの言葉の密度の方がいいです。その箇条書きを持ち寄り、企画や営業、そしてデザイナーと立場が異なる人が意見を出し合い、みんなで議論してペルソナシートを完成させることが大事なんです。
逆にペルソナを前にして議論が進まない、偏ったアイデアしか出てこない……なんてときは、その資料に余白が少ない証拠です。ペルソナを見直して、余分な情報を間引いた方がいいでしょう。