人生の充実度に子どもは関係ない
結論的には、子供の有無は寂しさや生きがいには関係ないというのが、筆者の至った見解である。
元々、自分の人生を充実化させることができなかったり、人心交流ができないことを不満に思う人達はたとえ子供がいたとしても、子供のために頑張ろうとか、子供からの愛情を得続けるための活動に励むことはできない。この仮説が正しければ、自分の人生の充実度は、自分一人の力に依存するということに帰結することになる。
時々聞く話で「子供の教育のために必死に頑張っている」という教育ママ(パパ)がいる。話を聞いてみると自分自身の人生において、非常に高い向上心があり、その気質はタフでパワフルである。つまり、子どもを持って生きがいを得た、という人は元々が自分一人でも充実した人生を送ることができる気質の持ち主の素質が、子どもによってさらに開放されたに過ぎないといえるだろう。
「子育ては忙しく、寂しさを感じるヒマがなくなる」という意見はどうだろうか?確かにこれはあたっている。だが、寂しさという感情にフタをすることは単に問題を先送りにしているに過ぎない。愛がなければ、ふとした時間の隙間に寂しさを感じてしまうからだ。
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少子化が進む現代、今後は子どもを持つ人が珍しくなくなる。そうなれば、自分がマイノリティであるという感覚がないため、家庭を持っていないことにこれまで以上に後ろめたさを感じることはないだろう。結局のところ、寂しさとは自分自身で打ち勝つべき問題なのである。
文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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