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ヒゲを「ソナー」にして獲物を探知
コロミス属の新種を2種発見!

ヒゲを「ソナー」にして獲物を探知

これまでに見つかっている半水棲ネズミは、「ナイロペガミス属(Nilopegamys)」と「コロミス属(Colomys)」の2グループです。

ナイロペガミス属は、1927年に東アフリカのエチオピアの川で捕獲された1体のみ知られており、標本はフィールド自然史博物館に保管されています。

一方のコロミス属は、コンゴ盆地全域と西アフリカの熱帯雨林に生息し、ナイロペガミスより数は多く見つかっていますが、捕獲は困難をきわめるそうです。

ひげをソナーにして獲物をハント、「半水棲ネズミ」の新種を2種発見(コンゴ)
(画像=コロミス属の捕獲に協力する現地のレンジャー / Credit: Credit: Terry Demos, Field Museum、『ナゾロジー』より引用)

ナイロペガミスについては、すでに絶滅している可能性が高いため、研究チームは今回、現地レンジャーの協力のもと、コンゴ盆地でコロミス属の捕獲を行いました。

コロミス属は、鼻先のヒゲを浅瀬の水面に浸してソナー代わりにし、川の流れや水生昆虫の気配を感知します。狩りをする際、ヒゲから伝わる獲物の位置情報を処理するため、コロミス属の脳は比較的大きく発達しています。

ヒゲをソナーにするために浅瀬を歩いていることが多いのですが、上のように流れが急で深さのある川や沼地にも潜んでいるようです。