スペイン・バルセロナ自治大学の最新研究により、約7150万年前の白亜紀後期に生息していた新種のワニの化石が発見されました。

新種ワニは、新たに「オグレスクス・フュラトゥス(学名: Ogresuchus furatus)」と命名されています。

また、9月17日付けで『Scientific Reports』に掲載された報告によると、新種の化石は、首長竜であるティタノサウルスの営巣地から出土しており、その子どもをエサにしていたと見られます。

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ワニなのに手足が”真下”に生えていた

ワニなのに手足が”真下”に生えていた

新種の化石は、スペイン北東部・カタルーニャ州にある「エル・ミラドール発掘所」で発見されました。

歯や頭蓋骨の一部、背骨、脚の骨が見つかっており、そこからワニ目セベコクスク亜目のセベクス科に属する新種と特定されています。

セベクス科のワニは白亜紀に種が多様化しましたが、中新世(約2300万年〜約500万年前)までには絶滅しました。

既知の化石から察するに、中型の肉食恐竜とも戦えるレベルの捕食生物だったようです。

”首長竜の子ども”をエサにしていた「新種の古代ワニ」を発見!(スペイン)
(画像=発見された新種ワニの骨 / Credit: nature,『ナゾロジー』より 引用)

ところが、発見された新種の個体は、全長約1.1メートル、体重9キロほどと小さく、セベクス科の中では最小かつ最軽量となっています。

面白いのは、現生のワニと違って、手足が体側ではなく真下に生えていることでした。

研究主任のアルバート・セレス博士は「この身体的な特徴により、4つ足の哺乳類のように身軽に移動することで、現生のワニよりずっと効率的に狩りをしていたでしょう」と指摘しています。