飛ぶのがとても下手だった2種の恐竜

調査の結果、2種の恐竜はどう考えても羽ばたくことはできなかっただろう、とチームは結論付けました。

非常に寛大な過程を与えて、彼らを最大のコウモリのようにモデル化しもっとも軽量にしたとしても、彼らに羽ばたくような筋力はなかったようです。

「イーやアンボプテリクスは滑空はできたでしょう。しかしその滑空でさえ、とても褒められたものではななかったと思われます」と研究者は述べています。

ざんねんな進化? 翼を獲得したのに”飛ぶのが下手すぎて絶滅”してしまった2種の恐竜
(画像=今回の研究の主要な発見。予想される翼膜や筋肉の配置からイーは羽ばたいたり長距離の滑空はできなかったと考えられる。 / Credit:Dececchi et al.,iScience(2020),香港大学、『ナゾロジー』より引用)

彼らはムササビのように高い位置に移動して、そこから滑空するという飛行方法をとっていたようですが、それもあまりうまくはなかったようです。それでも滑空する能力は、危機回避能力としては役立っていた可能性があります。

彼らはそれにより数百万年は生き延びたようです。しかし、同時に彼らは追いやられ自分たちの居場所をどんどん失っていきました。

地上で敵う相手はなく、かといって空中でも鳥類や翼竜には敵いませんでした。樹上でも小型哺乳類に彼らの生存は圧迫されていったと思われます。

結局彼らはほんの数百万年で絶滅してしまいました。

しかし、彼らのような存在の発見は、恐竜が現代のわれわれが目にするような鳥類へ進化する前、さまざまな異なる飛行方法の進化を試していた可能性を示唆しています。

彼らは現代の空を支配する鳥類繁栄の礎といえる存在なのかもしれません。


参考文献

香港大学


提供元・ナゾロジー

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