韓国大統領就任式を巡る外国からの来賓

10日に予定されている韓国の尹錫悦新大統領の就任式に対し、日本からは林外務大臣が出席する予定になっています。アメリカは「セカンド ジェントルマン」と称されるハリス副大統領のご主人のエムホフ氏が出席します。弁護士のエムホフ氏は昨年茂木さんとも会議で一緒になっていて「主夫」ではありません。それでもなんだか変な感じがしますが、これはバイデン大統領が5月20日に韓国入りし、尹新大統領と話をするのでプロトコル的に整えたような形となっています。一方、中国は当初、李克強首相の名前が取りざたされていましたが、最終的に王岐山国家副主席が出席することになりました。それでもかなりハイランクの人材を送ったのは尹氏が比較的中国に距離感を置こうと考えているのに対してまずは礼節をもって当たってみるということかと思います。

4月末の韓国からの外交団に対して岸田首相が面談したことには賛否両論があったと内部事情に詳しい方から伺っています。うるさ型は自民党外交部会でその部会長はロシアから入国禁止となった佐藤正久氏。氏の背景は元自衛官、外務副大臣であだ名は「ヒゲの隊長」。私は岸田首相は会うだろうな、と読んでいたのですが、内通される方は知り過ぎていて疑心暗鬼だったようです。岸田さんはひょっとしたら韓国に行く気もあるのでは、とも思ったのですが、さすがそこまでは反対を押し切れなかったということかと思います。向かい風がなければ首相は行ったと思います。

日本として気に留めることはなぜ、バイデン氏が就任早々の尹大統領にわざわざ会いに行くのか、です。もちろん、日本でのクワッドがあることにひっかけていくわけですが、就任して一番先に会うのがアメリカ大統領というのは極めて重い意味があります。それともう一点、韓国国内の世論調査で支持政党が保守系の「国民の力」が50%に対し、文政権の「ともに民主党」は36%まで急落しています。つまり、韓国内のオセロゲームがとっくに始まっていることは温度変化として感じ取る必要はありそうです。それにしても就任式になぜ、あの鳩山さんまで行くのか、これだけはさっぱりわかりません。

後記
CBC、カナダ放送協会の記事に時給20㌦以下の人は2018年には38%だったのが現在は26%にまで減少しているとあります。カナダドルと円は為替が100円なので時給2000円以下の人は1/4に留まっているという意味です。一方、カナダのガソリン価格は史上最高値をつけ、北米一高いバンクーバーではレギュラーが217円程度です。日本が170円程度。原油産出国のカナダが日本より47円も高く、日本はそれでも政府がガソリン価格を押さえようとしているのは物価という考え方からは何か不思議な気もします。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年5月7日の記事より転載させていただきました。

文・岡本 裕明/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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